臨床メモ:タッチングと癒し効果

臨床メモ
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寝たきりで無気力な患者様。

何もする元気がなくて介入が難しい。

少しでも体を動かすと痛いと訴えるし大変。

どうしてあげたらいいんだろうか?

例えばですが……。

1.愛護的ケア

2.環境面へのアプローチ

3.褥瘡/肺炎など身体悪化を予防

多職種カンファレンスを行い、今後の方向性/目標などを定めていくと思います。

リハビリ的な視点では上記の3つくらいが代表的な介入ポイントと考えます。

☆目標:疼痛緩和にて安寧な生活を送る ⇒ 〇介入:愛護的ケア

☆目標:様々な活動の安定性向上/参加頻度の増加 ⇒ 〇介入:環境面へのアプローチ

☆目標:安定した生活を送る ⇒ 〇介入:褥瘡/肺炎など身体悪化を予防

おおよそこのような形になると考えます。

今回、愛護的ケアの1つ”タッチング”についてと

その”癒し効果”に関するお話です。

〇リハビリでのタッチングとは?

〇タッチングによる癒し効果とは?

〇癒し効果を発揮するタッチングとは?

リハビリでのタッチングの目的は?

リハビリでのタッチングには主に3つの目的があります。

  • リラクセーション
  • 痛みへのアプローチ
  • 不安やストレスへの軽減

などがあります……が、それ以外にも

理学療法士さん的視点では

  • バランス運動
  • 関節可動域の改善

といったポイントもあるようです。1)

タッチングによる癒し効果とは?

上記のように、期待されている効果は

  • 痛みの軽減
  • バランス運動
  • 関節可動域改善
  • リラクセーション
  • 不安やストレスの軽減

などが上げられています。

もちろん、患者様と有効な関係性を築けていることが前提条件であると思います。

簡単な原理

タッチングにより”幸せホルモン”と呼ばれている「オキシトシン」が分泌されるからだと言われています。

オキシトシンは特に親密な人とのタッチによって分泌される。

例えば、30分の背中へのマッサージにより施術者と受け手の両者のオキシトシンが分泌されるといった効果が確かめられている。

山口 創, 理学療法士のタッチと癒し効果, 理学療法ジャーナル 55巻10号 (2021年10月)pp. 1061-1066

幸せホルモンと呼ばれるオキシトシンには様々な効果があると言われてます。

オキシトシンは神経伝達物質として、扁桃体などの多くの部位に放出され、

不安やストレスの緩和、鎮痛、免疫活性の増大のほか、他者への信頼などの作用をもつことが明らかになった。

山口 創, 理学療法士のタッチと癒し効果, 理学療法ジャーナル 55巻10号 (2021年10月)pp. 1061-1066

癒し効果を発揮するタッチングとは?

  1. 事前に信頼関係を構築しておく
  2. 痛みに共感し、愛護的精神にて優しく心地いいタッチ
  3. タッチをする自分自身もリラックスをして行うことで同調的に相手もリラックスしてもらう

などが上げられます。

日々多忙で大変ですが、自分自身をリラックスさせるためのスイッチも作っておくと臨床でも役立つ可能性があります。

まとめ

ここまでご覧いただきありがとうございます。

触れ合う事やタッチングに関する論文は多くはありませんが、ユマニチュード含め、様々な効果が期待出来ると思います。

私も結構積極的に活用しており、意欲低下で難渋した方や、食欲低下の患者様にもわずかな回復をお手伝い出来た経験もあります。

これら「タッチング」について今後も研究が進められていき、技術として確立されるのも良いですね!

臨床で少しでもお役に立てば何よりです。それでは!

1) 山口 創, 理学療法士のタッチと癒し効果, 理学療法ジャーナル 55巻10号 (2021年10月)pp. 1061-1066

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