新人ST向け:施設での看取りの話

新人ST向け
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長く施設に入所していたけれど、誤嚥性肺炎となり入院してきた患者様。

もう一度施設へ戻り、最期は施設で看取りたいと希望されていた。

1人だけ施設の方が来院され、入院に必要な物を届けてくれた。

その中には数枚の写真があり、どれも入居者さんと一緒に楽しそうにしている写真だった。

とても良くしてくれる方々なんだと実感し、良くなって早く返してあげないとなぁと思った。

そういえば、振り返ってみると最近施設で看取ってほしいという希望が多かったなぁ。

そもそも施設での看取りってどうしているのかなぁ?

2020年の年間死亡者数

日本経済新聞(https://www.nikkei.com)によると、2020年の年間死亡者数は約138万人だそうです。

おおよそ0.7%減少していて、新型コロナウィルスを除く肺炎患者様の死亡者数が減り、老衰による死者が少し増えたのだそうです。

年間死亡数11年ぶり減 コロナ対策で感染症激減
2020年の国内の死亡数は前年より約9千人減少したことが22日分かった。死亡数は高齢化で年平均2万人程度増えており、減少は11年ぶり。新型コロナウイルス対策で他の感染症が流行せず、コロナ以外の肺炎やインフルエンザの死亡数が大きく減少したためとみられる。厚生労働省が22日に発表した人口動態統計(速報)によると、20年に死...

誤嚥性肺炎による肺炎患者様かは不明ですが、肺炎による死者が減っているのであれば、ST冥利に尽きる感じがします。

終末期を迎える場所としてはほとんどが病院がしょうが、今後も高齢者が増えるとなると、老衰者も増えることが予想されますね。

と、なれば高齢者施設での看取り機会も増えて行く可能性があります。

しかし、看取りに関する論文ではこんなことが書かれています。

高齢者ケア施設での看取りに対する現場の対応や研究の蓄積は不十分である。

高齢者ケア施設では認知症などの非がんの疾患や老衰によって看取りに至る入居者が多く、

予後予測が困難であることや

認知症によって看取りに対する本人の意思確認が困難で

家族が代理意思決定を行うことが多い

といった特徴がある。

大河原啓文,深堀 浩樹,廣岡 佳代, 宮下 光令: 日本の高齢者ケア施設における看取りの質の評価・改善に関する研究の動向: Palliative Care Research: 2016 年 11 巻 1 号 p. 401-412

でも、本人様の意志と家族様の意志って必ずしも一致しないのよね。

家族様は「最期に好きだった物を食べさせたい」「この食べ物ならきっとわかってくれて、食べてくれるはず」と決めつけて頑張って食べさせて欲しいと言ってきても、今の本人様には食事の理解が出来ず拒否が続いたり……。

論文内でもその点が指摘されていますね。

入居者本人に代わり事前代理意思決定を行うのは、多くの場合その家族となるが、家族の意向は必ずしも入居者本人の意思を代弁しているとは限らない。

大河原啓文,深堀 浩樹,廣岡 佳代, 宮下 光令: 日本の高齢者ケア施設における看取りの質の評価・改善に関する研究の動向: Palliative Care Research: 2016 年 11 巻 1 号 p. 401-412

ですよねー。

ですが結局は……。

「高齢者の終末期の医療及びケア」に関する日本老年医学会の立場表明では、

いかなる要介護状態や認知症であっても、高齢者には、本人にとって「最善の医療およびケア」を受ける権利があり、

認知機能の低下や意識障害などのために本人の意思の確認が困難な場合であっても、以前の本人の言動などを家族などから聴取し、十分な話し合いのもと、本人の意思を可能な限り推定し尊重することが重要」であるとしている。

大河原啓文,深堀 浩樹,廣岡 佳代, 宮下 光令: 日本の高齢者ケア施設における看取りの質の評価・改善に関する研究の動向: Palliative Care Research: 2016 年 11 巻 1 号 p. 401-412

デスヨネー。

高齢者施設は介護士が不足気味で、なかなか看取りのお話を深くまで話し合えていないように思います……。

そんな現状のため「効率的に、そしてより満足度の高いケア/プランが必要」となると思います。

今言われているのが「ACP:アドバンス・ケア・プランニング」です。

ACP(アドバンス・ケア・プランニング)とは?

将来の変化に備え、将来の医療及びケアについて、

患者さんを主体に、そのご家族や近しい人、医療・ケアチームが、繰り返し話し合いを行い、

患者さんの意思決定を支援するプロセスのことです。

患者さんの人生観や価値観、希望に沿った、将来の医療及びケアを具体化することを目標にしています。

日本医師会: アドバンス・ケア・プランニング(ACP)から考える: 2018年

医師を中心とした医療チームで構成されるため、施設では医師が居ない所が多く、病院が中心となり、チーム構成されて動いていそうな気配ですね。

話す内容ははやり「延命処置」。

延命処置を続けるかどうかも細かく話し合うことが大切と述べられています。

問題点

まず、これらを話し合う雰囲気を作ることが難しいです。

自分の死に際の意志を意識があるうちに考えろというのは結構酷な感じがします。

そもそも家族が居なかったらどうするのでしょうか。

まだまだその辺りもつきつめていってほしい感じですね。

まとめ

ここまでご覧いただきありがとうございます。

言語聴覚士は、延命処置をどうするかまで関わることは稀ですが、その他リハビリと比べて「最後の食事」に関わることが多いです。

なので、こういったターミナルに関わるケアについて知っておくと臨床で少し役立つことがあるかもしれません。

これらの情報が臨床で少しでもお役に立てれば何よりです。それでは!

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