気管支食道瘻とは?~論文を読んだ感想~

臨床メモ
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気管支食道瘻とは

気管支と食道との間に瘻孔(穴)が出来てしまうことです。

tracheoesophageal fistula (TEF)と略されることもあります。

■論文を読んで学べたこと

・気管支食道瘻でもっとも恐ろしいのが消化液の逆流

・予後は不良

癌により、食道に穴が開いてしまうことがある

食道癌の合併として起こる以外にも、肺癌などでも気管支食道瘻の合併があります。

胸腔内悪性腫瘍の重篤な合併症であり,悪性腫瘍由来の瘻孔は肺癌では 16% 程度である

倉重理絵,立石知也,土屋公威,稲瀬直彦, 進行肺癌に合併した気管支食道瘻を伴う重症肺炎を救命しえた 1 例, 日本呼吸器内視鏡学会, Vol 40, No 2, 2018年

肺癌の方の約10人に1人は食道と気管支の間に穴が開いてしまい、飲み込んだものが気管支に流れてしまうというSTにとっては恐ろしい病気があることを知りました。

また、上記論文内では「胃からの消化液逆流」による肺炎が示唆されており、逆流性食道炎とはまた違っ恐ろしさを感じます。

逆流性食道炎であれば、声帯防御機構などが働く可能性(希望)が考えられますが、気管支と食道に穴が開いており、そこから漏れてしまったら何も防御するすべがないため、怖すぎる病気となりますね。

ガン以外にも「気管切開」による合併症などによっても稀に穴が開くという論文も散見されました。(2002年の論文ですが)

後天性気管食道瘻は、進展した食道癌などに続発するものの他に稀ではあるが気管切開術後の合併症としても発生し、その治療には難渋することが多い。

宇田川寛子, 他6名, 気管切 開後 に生 じた気管食道瘻例 の治療経験, 耳鼻咽喉科展望, 45巻 第2号, pp.124-131, 2002年

予後が不良

当然のことながら、予後が不良となっております。

  1. 食道に穴が開いてしまっては、まともな栄養摂取が困難となる可能性がある
  2. 胃酸の逆流による、重篤な肺炎の発症が考えられる
  3. 癌の放射線治療と組み合わせることでより瘻孔を生じる可能性がある

肺癌に対する放射線照射の晩期食道障害として気管支食道瘻を形成することがある

倉重理絵,立石知也,土屋公威,稲瀬直彦, 進行肺癌に合併した気管支食道瘻を伴う重症肺炎を救命しえた 1 例, 日本呼吸器内視鏡学会, Vol 40, No 2, 2018年

といった記述もありました。

まとめ

ここまでご覧いただきありがとうございます。

様々な大きな病気の影に隠れている「気管支食道瘻」。

誤嚥性肺炎を好発させてしまう恐れがあるので、こういった視点も持っておくと良いかもしれませんね。この知識が臨床で活かしてもらえると幸いです。それでは!

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