新人ST向け:味覚障害へのアプローチ

新人ST向け
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・味覚障害が起こる要因

・原因へのアプローチ

・アプローチ中の注意点

味覚の異常や味覚が感じられない味覚障害は食欲不振へ発展し、食欲不振は体調不良を引き起こし、ついには低栄養への発展が問題視されています。

◇味覚障害による問題点◇

食欲不振からの低栄養への発展。

その他体調不良も起こりやすく、喫食量低下からの胃拡張性低下を起こし悪循環。

体力低下からの気力低下、メンタルへの悪影響も。

なんとしても阻止したいですね……!

美味しくない……。

味がしない……。

食べたくない……。

こうなる前にどういった対処法があるでしょうか?

味覚障害が起こる要因を知る

味覚障害の原因として多いものは、

全身疾患

治療薬の副作用

亜鉛欠乏

で、これらの原因で約5割を超えるとされている。

「口腔疾患」は、数々の原因の中で発症率が極めて少ない。

佐藤 しづ子: 高齢者の味覚障害に対する口腔内科学的診断および治療の重要性: 日本味と匂学会誌 VoL20 No.2 PP.97−109: 2013年 9月

というふうに「口腔疾患」が味覚障害に関わることが少ないという報告もあるそうです。

しかし……実際のところはどうなのでしょうか?同論文内ではこんなことが書かれてありました。

味覚障害と関連する全身疾患には、口腔症状(口腔疾患)を伴う疾患が多い

糖尿病はその一つである。

佐藤 しづ子: 高齢者の味覚障害に対する口腔内科学的診断および治療の重要性: 日本味と匂学会誌 VoL20 No.2 PP.97−109: 2013年 9月

とあります。

糖尿病に表れやすい口腔症状って?

糖尿病患者に表れやすい口腔内病変として

・歯肉炎

・歯周炎

・う蝕

・唾液腺機能異常

・口腔粘膜疾患

・口腔乾燥症

・味覚異常

の7疾病が上げられます。

藤本 篤志 他7名: 5疾病の口腔ケア -チーム医療による全身疾患対応型口腔ケアのすすめ-: 医歯薬出版株式会社 pp. 160 2013年

唾液腺機能異常によって唾液分泌量が低下すると味覚が感じにくくなるのは納得ですね。

そして口腔内が乾燥し、味覚が感じにくくなったりする可能性もありますね。

原因へのアプローチ

治療薬の副作用であれば、副作用が出ない類似薬への変更が可能かどうか、薬剤師の人へ相談したり、亜鉛を摂取できる手段の検討が大切ですね。

たとえば、亜鉛に特化したゼリーなどがあります。先にそれを食べてもらうことで、味覚の回復から、食欲の回復へ繋げていけるように介入します。

次に問題なのが「口腔疾患」ですね。

口腔疾患が認められた患者は、糖尿病など全身疾患や、味覚障害を副作用とする服薬、栄養障 害など様々な原因を有していた。

なお、味覚障害 の原因としての口腔疾患は、

・口腔カンジダ症、

・口腔乾燥症、

・口腔粘膜疾患

などであった。

佐藤 しづ子: 高齢者の味覚障害に対する口腔内科学的診断および治療の重要性: 日本味と匂学会誌 VoL20 No.2 PP.97−109: 2013年 9月

のため、

全身疾患が原因でも「口腔疾患」が隠れている可能性があり、それによって味覚障害に繋がっている可能性も捨てきれない。

なので、上記3つの口腔疾患

  • 口腔カンジタ症
  • 口腔乾燥症
  • 口腔粘膜疾患

に対するアプローチが有効となる可能性があります。

とはいえSTが出来る事と言えば普段行っている口腔ケア(MC)ですね。

MCの意義が、口腔乾燥や口腔カンジタに対する予防といった面が追加されます!

アプローチとして

  • 口腔内の汚染除去
  • 保湿剤の塗布
  • 唾液腺マッサージ

これらの基本的なアプローチが味覚への対策へつながります。

アプローチ中の注意点

保湿剤のポイント-物性について-

流動性の高い保湿剤について

保湿剤を手の甲に取り出し、傾けるとすぐに広がる用に流れる→流動性が高い

少量で咽頭まで届きやすい!

多量に付けすぎてしまうと咽頭まで流れていって誤嚥のリスクがある

流動性の低い保湿剤について

保湿剤を手の甲に取り出し、傾けてもなかなか広がらず流れにくい→流動性が低い

長時間口腔内を保湿してくれる!

長時間の放置は膜を作って固まり、新たな汚れの原因に

※藤本 篤志 他7名: 5疾病の口腔ケア -チーム医療による全身疾患対応型口腔ケアのすすめ-: 医歯薬出版株式会社 pp. 18 2013年

こういった点にも注意が必要ですね……!

まとめ

ここまでご覧いただきありがとうございます。

味覚障害に対してのアプローチが口腔ケアって考えがなかなかつながらないかもしれません。

論文内でも様々な薬剤を使用し、口腔内の乾燥を防いだり、カンジタ症の治療へ繋げたりしております。

薬剤となると、薬剤師や医師との連携が不可欠になります。取りにくい場所ではなかなか難しいですが、必要なお薬に関する知識、例えばお薬の適応と禁忌、副作用などを学んでおくとスムーズに行くことがあるかもしれません。

少しでも日々の臨床のお役に立てば何よりです。それでは!

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