新人ST向け:ストローを使った方が良い?判断はどうするの?

嚥下評価
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結局はその人次第?

その人の嚥下状態によって「ストロー」でいくか「コップから直接摂取する方法」でいくかを決めていきます。

コップのメリット

  • ストローのような吸引力はほとんど必要ない
  • 認知症の人でもコップの理解は得られやすい
  • 一度にたくさん飲める

などがあります。

失行のような病態が見られたり、アルツハイマー型認知症の人はストローを見てもくわえようとしない時があります。

コップの場合、コップを持たせて動作介助すると飲める場合があります。

また、ストローと比べて1口量が増える(後述)のでたくさん飲んで欲しい人にはコップを優先します。

ストローのメリット

  • 口からこぼれにくい
  • 1口量が少なくて済む
  • 早期咽頭流入を防ぎやすい

口からこぼれにくい

ストローはコップに比べ,高い口輪筋の筋活動が必要である

平田文,柴本勇, 飲水時の舌と口蓋の接触観察:ストローとコップの違いに着目して, 日摂食嚥下リハ会誌 24巻 3号 pp.258-265, 2020 年

口輪筋は口周りについている筋肉です。

ストローを口で加えるわけですからこの筋肉が強く働くわけですね。

加えて口輪筋が活動していることで、口からのこぼしが少なく、それによって注意がそれて誤嚥してしまうケースを減らしてくれます。

また、口がしっかりと閉じていることで嚥下圧(飲み込む力)の低下を防ぐ効果が期待出来ます。

1口量が少なくて済む

健常成人においてストローはコップに比べ一口量が少ない

平田文,柴本勇, 飲水時の舌と口蓋の接触観察:ストローとコップの違いに着目して, 日摂食嚥下リハ会誌 24巻 3号 pp.258-265, 2020 年

コップの場合、ストローと比べて口を大きく開けるため、その分1口で飲める量も増える印象なので納得です。

1口で飲める量が増えるとたくさん水分を摂取出来て良いように聞こえますが、口に含むことが出来る量と飲み込める量が必ずしも一致するとは限らないので、1口量には気をつかいます。

頬張ってしまうと誤嚥リスクとなる可能性がありますし、一気に飲み込もうとして窒息となる可能性もあります。(トロミが付いている場合危険です。)

そのため1口量を抑えられる方が患者様にとって良い場合は、ストローを選択すると良いでしょう。

早期咽頭流入を防ぎやすい

ストロー飲水はコップ飲水に比し,舌と口蓋の接触が多く,舌と口蓋が開放している時間も短いことが示された。

食塊を口腔内で保持する口腔準備期は,食塊を舌背部に載せて口蓋との間で保持する場合が多いことが報告されている(中略)

ストローで飲水する場合は,舌と口蓋を密着させて下顎の位置を安定させることで,液体を舌背と口蓋の間で保持することが示唆された。

平田文,柴本勇, 飲水時の舌と口蓋の接触観察:ストローとコップの違いに着目して, 日摂食嚥下リハ会誌 24巻 3号 pp.258-265, 2020 年

ストローはコップに比べ液体を口狭に保持しておくことに適した食具であることを報告されています

早期咽頭流入を自然に防ぐ効果がストローにあることがわかりました

※早期咽頭流入とはゴックンと飲み込む作用が間に合わずのどの気管の方へ入ってしまう事

とはいえストローはストローで怖い部分があります。

(不顕性)誤嚥しているのにも関わらず吸い続けてゴクゴクと飲んで、最後は思いっきりムセたりしてしまうケースが代表です。

ストローで摂取可能な人はどのような条件が必要なのでしょうか?

ストローを試すために

・嚥下が可能

・口輪筋がしっかり活動している

・呼吸の乱れが少ない

・認知が重度ではない

・トロミが強すぎない

嚥下が可能

何はともあれ、嚥下が出来なければ意味がありません。

また、不顕性誤嚥も要注意です。※ムセのない誤嚥のことです。いつの間にか気づかずに誤嚥性肺炎になってしまう大変恐ろしい病気です。

スクリーニングとして「湿性の嗄声」「咳嗽力」「本人様の受け止め方」などしっかり見ていきましょう。

口輪筋がしっかり活動している

スクリーニングとして「口唇音」/pa/(パ行) /ba/(バ行) /ma/(マ行)の確認が必要です。

または口腔ケア中に口を閉じて拒否する人は「口輪筋」がしっかりと働いている証拠となります。

呼吸の乱れが少ない

呼吸器が正常に作用していないと「ストロー」を吸う力が失われている可能性があります。

呼吸が乱れやすい人は嚥下状態をしっかり確認する必要がありますが、そこに呼吸評価も重要となってきます。

まずは「痰」「呼吸音」「呼吸数」「SpO2」などを参考に呼吸評価も行ってみましょう。

普段の食事でよく深呼吸をしている人や小休憩をとりながら食べている人は注意が必要です。

認知が重度ではない

出来れば「ストロー」を見てストローと答えてくれたり、口でくわえようとする動きが出てくれる人であれば、ストローでの飲水を試す価値はありますが、反応がない人は難しいです。

トロミが強すぎない

トロミが強すぎるとストローの中で詰まって飲み込めません。

トロミの必要性として「嚥下反射の遅延」対策があります。

「咽頭期」による「嚥下反射の遅延」が顕著な方は多くのトロミを必要とする場合があるため、他の手段による摂取方法を優先したほうが良いかもしれません。

急性期など安全策は「スプーン」

舌と下顎の分離運動が困難な患者は,コップ飲水による開口時に,舌で口腔後方を閉鎖できず,液体の早期咽頭流入のリスクが高まる可能性がある。

そのような患者は,ストローを用いた飲水のほうが,顎位が安定して液体を口腔内に保持しやすく,「むせ」を軽減できるかもしれない

平田文,柴本勇, 飲水時の舌と口蓋の接触観察:ストローとコップの違いに着目して, 日摂食嚥下リハ会誌 24巻 3号 pp.258-265, 2020 年

この文章から、「顎を極力動かさず」「口唇閉鎖」を促せば自然に舌と口蓋が接触し『早期咽頭流入』を防ぐことが期待できます。

なので「スプーン」での摂取を促す際も「頸部・顎のポジショニング」「口を閉じることの促し」をしっかり行うことが大切です。

まとめ

ここまでご覧いただきありがとうございます。

かなり興味深い内容の論文だったのでまとめてみました!

ネット上で見れるので、是非とも閲覧してみてください!それでは!

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