新人ST向け:嚥下能力と下肢筋力について

嚥下訓練
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高齢者肺炎患者の嚥下能力には大腿四頭筋の筋量よりも、筋内非収縮組織量が関連することが明らかとなった。

貴志 将紀,日野 斗史和,石本 泰星,田村 公之,赤澤 直紀, 高齢肺炎患者の嚥下能力には大腿四頭筋の筋内非収縮組織量が関連する:横断研究, 理学療法学

大腿四頭筋とは?

足の太ももに当たる筋肉ですね。

前側についています。

四頭筋と呼ばれるわけですから、4つの筋肉の総称です。

  • 大腿直筋
  • 外側広筋
  • 内側広筋
  • 中間広筋

内訳はこんな感じになります。

この「大腿四頭筋」がしっかりと働いている人は「嚥下能力」も高いという研究結果が得られたのです。

大腿四頭筋の作用

●股関節の屈曲

●膝の伸展

股関節の屈曲

図のように足を前方に出す動きを解剖学用語で股関節の屈曲と呼びます。

膝の伸展

もう1つ大腿四頭筋の作用として「膝の伸展」があります。

膝下を伸ばして前に出すような運動ですね。

これらの時に強く働くのが「大腿四頭筋」です。

この「大腿四頭筋」が低下すると「嚥下能力」も一緒に低下することがわかったのですから驚きですね。

嚥下能力が落ちたから大腿四頭筋が落ちた?

元々嚥下が悪く、誤嚥性肺炎によって寝たきりを余儀なくされ、下肢の筋力が衰えてしまい「大腿四頭筋」の機能も低下したと考えると納得がいきます。

それは相関することに疑いの余地がありません。

(より詳しく言うと「大腿四頭筋」の【筋内非収縮組織量】が増大したということです。働かない筋肉の量が増えたら、機能も落ちるというわけです。)

驚きなのは下肢のトレーニングにより「筋内非収縮組織量」が減ったら「嚥下能力も上がる」ことも研究で分かっているようです。

それも「廃用症候群」ではなく「脳卒中」なのですから驚愕です。1)

頸部回旋嚥下や完全側臥位法とは何だったのか……と思ってしまいます。

具体的には「椅子からの立ち上がり訓練」を繰り返し行うことで「FILS」の点数が上がったとのことです。

FILS

「Food Intake LEVEL Scale」の略です。

「嚥下障害のある患者様がどれくらい食べれているかを示す指標」となります。

  1. 嚥下訓練を行っていない
  2. 間接訓練を行っている
  3. 少量の食べ物を用いた嚥下訓練を行っている
  4. 代替栄養が主体だが、1食程度嚥下食を摂取している
  5. 代替栄養が主体だが、2食程度嚥下食を摂取している
  6. 3食嚥下食を摂取しているが、不足分を代替栄養で補っている
  7. 3食嚥下食を摂取出来ている
  8. 特別食べにくい物を除いて3食摂取出来ている
  9. 食べ物の制限がなく3食摂取出来ている
  10. 摂食嚥下の問題が認められない

まとめ

ここまでご覧いただきありがとうございます。

未だ「大腿四頭筋」と「嚥下」との関わりが明確にわかっていないため、むやみやたらに下肢筋力のトレーニングを行うのは得策ではありません。

嚥下の病態と大腿四頭筋との関連が研究され、さらにより良い嚥下訓練を提供できると良いですね!それでは!

1) Yoshihiro Yoshimura, Hidetaka Wakabayashi, Fumihiko Nagano, Takahiro Bise, Sayuri Shimazu, Ai Shiraishi, Chair-stand exercise improves post-stroke dysphagia, Geriatr Gerontol Int .2020 Oct;20(10):885-891

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