COVID-19(以下:新型コロナウィルス)が未だ猛威を振るう中、言語聴覚士(以下:ST)さんは他の医療従事者とともに仕事をしております。
他のリハビリスタッフと「言語聴覚士」のリハビリはまた少し違います。
ゆえに他の医療従事者とはまた違った視点で「感染対策」が求められます。
STに必要な感染対策とは何でしょうか?
感染対策
新型コロナウィルスによる感染症対策をお伝えします。
基本的な手洗いうがいマスクなどを外して記載しております。
- 換気の徹底
- 物品の清掃
- 食事の介助
換気を徹底
3密の1つ、密閉を避けるということです。
リハビリ室も換気が徹底されていますが、ST室も同様です。
しかし、ST室に窓がない場合があり、部屋の扉を開けて行うこともあります。
ことばの練習では患者様のプライバシーを守るため密閉してリハビリを行うことが多かったですが、扉の開放は基本行うようになってきています。
ただ、注意障害などで扉を閉めていないとリハビリに集中できない場合もあります。
そういった時は換気扇があると扉を開ける代わりになりますね。
物品の清掃
STは様々な評価やリハビリで物品を使うことがあります。
血圧計やパルスオキシメーターだけではなく、ペンライトや聴診器、鼻息鏡などなど上げるとたくさん出てきますね。
特に「口腔」へ触れる物品も使用します。
とある論文では「舌圧測定器」の使い方および清掃方法を紹介しておりました。1)
舌圧測定器は舌の力をみる機器ですから、器具を口腔内に入れなければなりません。
その場合「表面をビニール袋で覆い、使用後は感染性廃棄物として捨て、器具を次亜塩素酸ナトリウム1000ppm相当の酸化力を持つ洗浄剤で消毒を行う」とされています。
1000ppm=0.1%ということです。
1リットルの牛乳パックいっぱいの水の中に1ml、ティースプーン1/3杯の次亜塩素酸ナトリウムを入れて希釈した洗浄剤ですね。
そういった洗浄剤に浸したタオルで拭いたり、使い捨ての除菌洗浄シートで清掃することが多いです。
食事の介助
新型コロナウィルスは呼吸器疾患であり、臥床による廃用をきたしやすい病気です。
廃用によって口腔内の機能が低下し嚥下能力の低下を伴うこともあります。
そのためSTの必要性は高いのですが、嚥下評価や食事介助は「口腔の粘膜」に触れる機会が上がるためリスクを伴います。
特に嚥下評価の「嚥下内視鏡検査」は内視鏡を鼻から入れるためコロナウィルスの多い鼻腔粘膜に触れるためウィルスの暴露が懸念されています。
手袋2重に袖まであるガウン、N95マスクの上にサージカルマスク、フェイスシールド、眼鏡、帽子などを着用するといった感染対策を行った上で実施する場合があります。
まとめ
ここまでご覧いただきありがとうございます。
今後も新型コロナウィルス以外にも感染症が広がるかもしれません。
その時に役立ててもらい、病院に配属されている感染委員の方と相談して対策していただけると幸いです。それでは!
1) 中嶋 崇博,市川 麻衣,萩野谷 巧,雨宮 直樹, COVID-19患者に対する言語聴覚士のかかわり : 現場最前線, 言語聴覚研究 17(4), 346-349, 2020
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