新人ST向け:失語症訓練のSFAについて

失語関連
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SFAとは

Semantic Feature Analysisの略となります。

SFA は、概念から賦活された複数の意味属性が意味ネットワークを介し目標の語彙を活性させる語彙検索モデルに基づくものである。(Haarbauer-Krupa ら 1985)

石井 由起, 春原 則子, 日本語慢性期流暢性失語症2例へのSemantic Feature Analysis (SFA) による呼称訓練の効果, 高次脳機能研究, 38巻 4号 pp.422-428, 2018年

これだけでは良くわからないという人が多いのではないでしょうか。

一例を出してみましょう。

目標の語彙……例えば「ウサギ」があったとします。

「ウサギ」に対しての【意味属性】具体的には

  • 『動物』
  • 『ペット』
  • 『4本足』
  • 『赤い目』
  • 『人参が好物』
  • 『耳が長い』
  • 『干支で4番目』

などが上げられます。

こういった関連するカテゴリーを「cue」とし、検索をかけやすくして、目標の語彙(ウサギ)が表出出来るように整える訓練のことですね。

SFAの特徴

喚語困難に対するアプローチ

なぜ喚語困難に対するアプローチとして有用かというと

  1. 非訓練語への般化や維持効果を示す報告が多くなされている点
  2. 喚語を促す cueを自己産生して使えるように促せる点

が挙げられます。

非訓練語への般化や維持効果を示す報告が多くなされている点

目標である語彙だけでなく、訓練に用いていない「非訓練語」まで喚語困難の軽減が見られたというわけですね。

喚語を促す cueを自己産生して使えるように促せる点

喚語を促す cueを自己産生しself-generated cue(以下,self cue)として使えるように促すことが可能

石井 由起, 春原 則子, 日本語慢性期流暢性失語症2例へのSemantic Feature Analysis (SFA) による呼称訓練の効果, 高次脳機能研究, 38巻 4号 pp.422-428, 2018年

なのだそうです。

実際、私生活でも役立ちます。

喚語困難のような症状は正常の人でも起こりえます。

「アレは何と言うのだっけ?」となった場合、私は

  • どこでそれを見たのか
  • どれくらいの大きさなのか
  • どんな時に役立つものなのか

を考えていき、最終的に物の名前を思い出すことが多いです。

それを患者様・利用者様にもマスターしてもらうのがSFAの素晴らしい点です。

『ウサギ』という言葉が出てこず、ふわふわしていて耳が長くて小さく、赤い目でペットとして人気で人参が好きな動物……と言うふうに考えてもらい、『ウサギ』の表出を促します。

訓練での声掛けの仕方

初めてSFAを使用する場合

まず紙を用意します。

このように真ん中に目標の語彙があり、周りにカテゴリーについて書くスペースを作ります。

呼称がすぐに出来た場合も、まずカテゴリーから説明していきます。

初めの方は2択などから答えてもらいます。

「これ(絵を指差ししながら)は食べ物ですか?動物ですか?」

などでカテゴリーを答えてもらいます。

慣れてきたら「飲み物」なども追加して3択にしたりしていきます。

さらに

  • 「どれくらいの大きさですか?手で示してください」
  • 「(この絵だと)全身の色は何色ですか?」
  • 「特徴的な体の部位はどこですか?」
  • 「特徴的な部位はどこですか?」
    ⇒(難しい場合絵の耳を指差しながら)「ここが特徴的ですね」と伝える

と質問していき、答えてもらいます。

これも難しい場合は2択で絞ったり、読解の方が良好なら文字提示します。

慣れてきたら、

「言葉を思い出しやすくするコツを伝えます。」

と告げてカテゴリーの答えから促し、最後に目的語の表出を促します。

まとめ

ここまでご覧いただきありがとうございます。

失語症の方で一番苦労するのは「ことばがうまく表現できない事」です。

それに対してのアプローチで多く用いられているSFAをうまく使いこなし、日々の臨床のお役に立てていただければと思います。それでは!

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