新人ST向け:重度失語症者行動観察表とは?

新人ST向け
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重度の失語症患者様。

報告書できちんと数値上良くなっているのを示したいけれどうまくいかない。

確かに。

最悪書類のよって返戻が来てしまう恐れもある……。

SLTAやKohs立方体組み合わせテストは時間がかかりすぎてしまう。

RCPMくらいしか出来ないのだけれど、毎回RCPMというのもおかしいし。

しっかり書こうと思ったらあれこれ考えて時間がかかって他の業務に支障がきたしてしまいますね。

なにか別の着眼点が欲しいなぁ~?

と、いうことで今回は「重度失語症者の行動観察表」についてご紹介します!

重度失語症者の行動観察表?

それはどこで見れるんでしょうか??

医書出版社が発行している「重度失語症検査」の77ページに記載があります!

重度失語症者の行動観察表とは

8つの大項目があり、それぞれに3~12個の小項目で構成されている行動表です。

計49個の小項目に得点を付けて点数を出すことが可能です。

点数は0~2点、最大98点満点で計算することが出来ます。

大項目8つは

  1. 自己認識
  2. 集中・専心
  3. 記憶
  4. 見当識
  5. 日常生活行動
  6. 記号的行動
  7. 対人関係
  8. コミュニケーション行動

となっています。

スムーズに行えばおおよそ20分もかからないと思われますし、事前の情報収集から想像できる部分に点数を付けておくとより短縮できそうです。

とはいえ検査室で行うよりも日常生活を見る評価項目もあるので「訪問リハビリ」向けな観察表となりますね。

記入の仕方

上記のように、0~2点で計算します。0点が不良2点が良好となります。

  • 2点(良好):ほとんどいつもそうした行動がみられる
  • 1点(時々良好):2と0の中間段階の行動
  • 0点(不良):ほとんどそうした行動がみられない
  • ?(不明):外套の行動を観察する機会がなく評価不可
  • ×(該当せず):患者の環境からみて該当しない観察項目である

?や×があるのは独特ですね。

これなら私でも出来るかも!

評価のポイント

・質問した時の反応や応答など具体的に記載しておくのが良い

・問題行動がないかもチェック

・外来患者様など評価が難しい場合は「×」とする

記録用紙には得点以外にも「コメント(問題行動など)」を記す欄があります。

ありがたいことに具体的な「問題行動」の例が書いてあります。該当する場合は〇で囲っておくと見返した時にわかりやすいですね。

点数を付けておくことで初回時は「〇〇点」、再評価時は「○○点」と書くことが出来るので「症例発表」といった場面でも使用可能であると思われます。

信頼性のある観察表なのか?

PartⅡだけがほとんどの観察領域と0.5台または0.6台の相関をしめしている。このことから非言語的な記号行動の能力は日常生活のさまざまな領域の行動と関連しあうらしいことがうかがえた。

竹内 愛子,中西 之信, 中村 京子, 堀田 牧子, 手束 邦洋: 重度失語症検査 マニュアル: 医書出版: 1997年

重度失語症検査はPartⅠ~Ⅲまであるのですが、そのうちPartⅡの相関が中等度見られるとのことです。

重度失語症検査と中等度に相関があり信頼性のある評価方法のようですね。

具体的な小項目の内容一部抜粋

4つ目の大項目「見当識」のお話です。

この大項目には6つの小項目があります。1)

  1. 自分の病室がわかる
  2. トイレの場所(男女の違い)がわかる
  3. ST訓練室がわかる
  4. 訓練時間がわかる
  5. 自分の見たいテレビ番組の時間がわかる
  6. スタッフの役割(仕事)がわかっている

となります。

この6つに点数を付けていきます。

訪問リハで実施の際は、病室やトイレの問題が難しいですね。

まぁ家に帰れる時点で「自分の家がわかる」となり病室と同じで2点としても良いと思われます。

最近はみんなのトイレ」があるので少し点数を付けるのが難しくなりがちですが、病院で評価する時は看護師さんと共同してエラーの有無を確認することが大切となります。

スタッフの役割も「医師・看護師・リハビリ」の違いの理解も保たれているか見ておきたいですね。

理解が保たれている場合は「点滴を打つのは誰?」と問うのも良いかもしれませんし、顔写真などがある病棟であれば、看護師とリハビリの区別を聞いてみたりするのも良いかもしれません。

まとめ

ここまでご覧いただきありがとうございます。

重度失語症患者様利用者様と関わる際に評価が難しいですが、様々な評価法を知り、訓練や報告書に取り入れていけるとより質の高いリハビリを提供できるようになると思われます。

臨床でこれらの情報がお役に立てれば何よりです。それでは!

1)竹内 愛子,中西 之信, 中村 京子, 堀田 牧子, 手束 邦洋: 重度失語症検査 マニュアル: 医書出版: 1997年

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