新人ST向け:ご飯再開に向けて大切なこと<訪問編>

新人ST向け
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一度窒息を経験された訪問の利用者様。

病院から退院して1ヶ月が経過しました。

そろそろ家での生活に慣れてきた頃合い。

なので……恐れていました。

もうじき……来るのではないか……と。

思っていた矢先、ついに出てきてしまいました!

本人様
本人様

「ご飯が食べたい」

「おかゆはもう飽きた!」

そんな時、どうしたら良いでしょうか?

  • 本人様の理解面の評価
  • 家族様の理解面の評価と気持ち
  • ケアマネや他職種の意見
  • 主治医の意見
  • 今後の対策

これらを確認していく必要があります。

もう少し詳しく見ていきましょう。

評価ポイント

本人の理解度を知る

  • 一度窒息した経験を覚えているか
  • なぜ窒息をしたか理解しているか
  • 自身の嚥下能力について

どれほど自覚をお持ちなのかを知っておきます。

嚥下能力は白米が食べれそうなレベルであっても、独居であり、かつ窒息経験の記憶や自覚、何を注意すれば大丈夫かの理解が不十分な場合は、本人が望んでいても白米の再開を延期する場合が多いです。

家族様の理解

  • 本人様の嚥下能力をどれだけ知っているか
  • 窒息対応の理解が得られているか

そして一番重要なのは、家族様と本人様の意見を一致させることです。

これもまた大変で、奥様は食べさせてあげたいと言っていても娘様や息子様は反対だったりします。

そのため、「家族の意見を一致してもらう」必要があります。

どうしても訪問時間に行くと娘様や息子様と話し合う機会が少なくなります。

人の命に関わることのため、慎重に進めていかないと、重大なクレームとなりかねません。

しっかりと家族様同士での相談を促していく必要があります。

家族様には、本人様のお気持ちを汲むのか絶対に危険だから辞めるように説得するのかを決めてもらいます。

ケアマネ・看護師・介護士に確認する

白米の嚥下評価を行うか否かを判断する前に、本人様が白米を食べたいと言っていたことを報告しておく必要があります。

看護師さんや介護士さんから普段の食事の様子を聞いたり、ケアマネさんの意見を聞くことがあります。

上記のように、ケアマネさんに「娘様息子様が介護に協力的な人なのかどうか」の確認も必要だったりします。

とはいえ、「この人、ご飯を食べたいと言っていますが、大丈夫ですかね?」とSTが聴くのもおかしな話です。ケアマネさんからすると「こっちが聞きたい」となるわけですしね。

そのため上記の情報から「今後白米を使った嚥下評価が必要か、必要ではないかを考えていきます。」

白米を使用しない嚥下評価を行う

RSSTやMWSTなどでのスクリーニング

本人様の嚥下能力がどの程度あるのかを見ていきます。

環境面の評価

  • 白米を使った嚥下評価が可能かどうか
  • 環境調整は可能か(スプーンの大きさや姿勢、家族様の援助の有無etc)
  • 本人様の性格(本人様の高次脳機能の問題、早食いetc)

今の嚥下能力で白米を食べれるのか食べられないのか、試してみないとわからないのか、注意点を守ってくれれば窒息のリスクは低いのかを考えていきます。

それらを踏まえて「白米を食べれるかもしれない」「白米は難しいかもしれない」(難しい理由を考えておくと、家族様や本人様への説得に役立ちます。)を判断します。

もしも「白米が食べられるかもしれない」と判断した場合、家族様の意見も交えて「今後の方向性」を事前にケアマネなどに報告します。

ケアマネや他職種への報告

本人様と家族様が「ご飯を食べたい」と仰っているのであれば、嚥下評価をするかもしれないことを伝えます。

もし、「嚥下評価をせず、お粥のまま我慢してもらう」方向で行ったとしても、その報告は大切です。

本人様は食べたいと仰っていたが家族様は反対していて家族関係が良くないことを事前に報告しておくと、ふとした会話でケアマネさんが地雷を踏むことは少なくなるかもしれないからです。

しかし、重要なのは「もしかしたら嚥下評価をするかもしれない」ことを伝えておくことです。

そもそも、自分が死にかけたにも関わらずそれでも白米が食べたいと言ってくる人を家族様が完璧に説得出来るでしょうか?

難しいことが多いです。

よくあるのが、家族様がいる時にちょっとだけ白米のご飯にする、特別な日に普通の白米をたべるといったことが多い気がします。

もしも本人様との付き合いが長くて、家族様が本人様を説得しきれそうにないなーという時には、事前にその旨をケアマネさんや他職種に伝達しておいても損はないと思います。

そして、「今後嚥下評価をするかもしれないこと」をケアマネさんに伝えておくと安心してくださいます。

なぜ確定ではないかというと「主治医への相談」という過程があるからです。

主治医の意見

お粥のままで行くのであれば特に報告の必要性は低いですが、ケアマネさんと相談して嚥下評価が必要となるなら、主治医にも伝える必要があります。

そこで主治医の意見を確認し、嚥下評価をしていいか、せずにいるべきか、判断を仰ぎます。

やはり、嚥下評価をするかしないのかの判断も慎重です。

白米の嚥下評価時で「白米を食べることが出来た」と本人様家族様が判断してしまうと、そのまま毎日白米になるリスクが出てきてしまいます。

いくら「主治医の先生がOKとなるまでお粥のままで!」と伝えても効果は薄いです。

なぜなら嚥下評価時は食べられたのですから。

そのため、嚥下評価を行うということは、その場で完全に駄目だったことを本人様家族様に自覚してもらうか、ほぼ食べられるだろうと思えるレベルでなければ難しいでしょう。

そうなると、独居の方で嚥下が良くない人はおかゆの用意がしやすい方法を整える方が良いと思われます。

例えば、本人の嚥下能力が低く理解力が全く無くても、家族様がしっかりと理解出来ていて、良好な家族関係を築いていると判断できたら、家族様の意見を尊重出来ます。

が、家族が「本人が食べたがっているから、あげたい」だけでいるのであれば、ケアマネや看護師、主治医からも止めてもらうように進める必要があります。

そういった意味合いの報告も大切です。

今後の対策

嚥下評価や、実際に白米を使った嚥下評価で食べられたとしても、怖いですよね。

一度窒息をしているわけですから、嚥下能力は人並みにしっかりしていて、高次脳機能障害がない人で、前回窒息の反省点を把握している人でも、正直不安です。

また、家族様と本人様の意見が「白米を食べたい」で一致し、STも大丈夫と思っていても「ケアマネさん・看護師さん・介護士さん」が反対していると意見がぶつかり、主治医も困ってしまいます。

食事環境の指導

  • 姿勢の調整
  • 食具の大きさ
  • トロミの量etc

家族様が指導した通りに行ってくれるかどうかを確認していきます。

ハイムリッヒ法と心臓マッサージの方法を指導

例えば、家族様が「万が一窒息となった時」の対応を意欲的に学ぶ姿勢が認められた場合「ハイムリッヒ法」や「心臓マッサージ」についてお伝えしておくと、安心できます。

その点についても主治医へ報告し、判断を仰ぐ材料としてもらうことも可能かもしれません。

誤嚥兆候についての指導

窒息以外にも怖いのが「誤嚥」ですね。

  • 微熱が増えた
  • 痰が増えた
  • 食事中のムセが増えたetc

これらの兆候が見つかれば、ご飯をお粥に戻すことも事前にお伝えし、了承を得る必要があります。

「しっかり対策を練った状態」であり「嚥下能力も白米を食べれるレベルは保てている」と主治医が判断してくれれば、うまく白米再開のめどが立つかもしれません。

逆に、指導についてそれ程意欲的ではないと判断した場合はご飯を食べてもらうのがかなり難しくなると思われます。

まとめ

ここまでご覧いただきありがとうございます。

嚥下能力は日に日に衰えていきますし、窒息のリスクも増加していきます。

万が一を考えていると、どうしても二の足を踏んでしまいます。

家族様本人様が積極的になって「ごはんを食べたい」と声を上げて、かつ対策についての理解をしっかりと知ってもらう必要があるため、かなり大変です。

どうしても消極的な部分に目がいきがちですが、出来るだけ硬いものを食べてもらい、咀嚼能力を上げることは大切です。

難しい問題ですが、これらの情報が何かの参考になれば幸いです!それでは!

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