リズミック・キューイング法とは?
リズミック・キューイング法は、発話器官の協調障害を代償させ、発話の明瞭度と自然度を改善する方法であり、失調性 dysarthria に対する有効性が報告されている
福岡 達之, 道免 和久, 小脳失調を伴うdysarthriaと嚥下障害のリハビリテーション医療, The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine, 第56巻 2号, pp.105-109, 2019年
上記の通り、小脳病変によって失調性の構音障害が出現した時の、主な訓練方法の事を指します。
アプローチする点は
- 発話明瞭度
- 自然な発話
という2つの点ですね。
リズミック・キューイング法のポイント
治療者が目標とするリズムと速度をつけて文中の語を指さしながら患者に音読あるいは復唱するよう教示を行う
福岡 達之, 道免 和久, 小脳失調を伴うdysarthriaと嚥下障害のリハビリテーション医療, The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine, 第56巻 2号, pp.105-109, 2019年
予め読んで欲しい文章を考えておいたり、紙に書いておくことで復唱や音読を促します。
そして、目標とするリズムと速度を考えます。
初めのスクリーニングで文章を読んでもらい、そこである程度の目標とするリズムや速度を決めることが多いですね。
リズミック・キューイング法の難しい点
話す速度を強制されてしまうので、患者様の構音訓練に対する希望が低いと訓練効果が期待出来ません。
患者様の希望が低くても、家族様の希望が強い場合はリハビリを行うこともあるので、その場合は工夫が必要となります。
加えて、目標とするリズムと速度を想定しいくいのも難点です。
かなり構音が不明瞭な方や、初めてこの訓練を行う際は、自然な発話よりもゆっくりなリズムと速度から始めることがあります。
リズミック・キューイング法、難点の対処法
訓練希望が低い方の場合は、本人様にとって興味のある内容であると良いですね。
「旅行」が好きな人は地名について、「歴史」が好きな人はその時代のお話について調べて文章を読んでもらったり、逆に教えてもらいながら、音読の練習が出来るとよりリハビリの意欲が上がると思われます。
しかし、なかなか毎回違う文章を考えて提示するのは難しいですね。
そこで、「今日は何の日」なのか、テーマを作って話をしていくのもありです。
ほとんど何かしらの記念日が設定されているので、テーマや文章をお借りして文章を作り、その人にあった文章を提供できるようになると良いですね。
まとめ
ここまでご覧いただきありがとうございます。
日々リハビリで大変だと思いますが、本人様の希望に沿って、楽しくリハビリが出来るようになると良いですね。
こちらも参考になれば幸いです。
それでは!
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