開眼が見られない
認知症・脳血管疾患・神経疾患など、様々な疾患の影響で開眼が見られないことがあります。
こちらの刺激に対してある程度の反応は見られても開眼しない場合があります。
そうなると『食事の認識』を得られず誤嚥のリスクが高くなってしまいます。
開口が見られない
覚醒/開眼が見られても、開口してもらわないと食事は出来ません。
開口を促そうと口唇にゼリーを触れさせたり、香りの高い食べ物を鼻に近づけても開口が得られない場合は大変です。
そこで、無理に開口をしたり「k-point」を刺激して無理やり口を開けても、そこから食事の認識を得るのは難しく、誤嚥のリスクが高くなってしまいます。
吸啜(きゅうてつ)動作は見られる
そこでポイントとなるのが「吸啜」です。

吸啜動作とは、強く吸う反応の事を指します。
患者様の口腔ケアを行う際、スポンジブラシを口の中に入れるとチューチューと吸う反応が時折見られます。
本来は赤子に見られる原始反射の1つとされていますが、重度の認知症といった様々な要因で、吸啜動作が出てくることがあります。
この反応を利用して「ストローで栄養補助食品(飲料)を摂取してもらう」ことが可能となります。
吸啜動作があるからといって過信は禁物
吸啜動作が見られるからといって、嚥下もしっかり行われているかというとそうでない事もあります。
理想は「VF」にて嚥下の状態を他覚的に評価することですね。
他には頸部聴診法にて誤嚥の有無を確認したりすることで嚥下能力を確認することが大切です。
なぜ「らくらくゴックン」がおススメなのか?
らくらくゴックンであればノズルを口の中に入れやすいので、口唇を強く閉じてしまう人にも有効です。
特に歯がない場合は歯を傷つける心配がないので、安心ですね。
歯がないところからノズルを差し込むテクニックでより不快感を軽減できたりもします。
扱いについては馴れれば簡単なので、使いやすいです。
馴れるまでが少し大変ですので、しっかりとサポートできる環境が必須だったりします。
こういった患者様の場合、困る点は「内服」です。
薬が懸濁(けんだく)出来るものでしたら、溶かしたものをらくらくゴックンにて摂取してもらえると介護側は楽になりますね。
使用の際の注意点
食事をしてほしい、薬を飲み込んで欲しい、嚥下能力が保たれているから能力を維持したい。
様々な理由で「らくらくゴックン」を使用されると思います。
しかし、それだけの理由で使用するのではなく、家族様の希望などに沿って話し合うことが大切だと思います。
「らくらくゴックンを使用して、大好きだったアイスクリームを最後まで食べてほしい。」
そういった家族様のニーズをくみ取り、活用できるようになるといいですね。
まとめ
ここまでご覧いただきありがとうございます。
らくらくゴックンは、使い方を誤れば「虐待」として受け止められてしまうリスクもあります。
しっかりと嚥下能力や本人様の能力、そして家族様などのニーズを把握して適切に使用できると良いですね。それでは!
でも嚥下については少し怖いですね。特に頸部聴診法などは耳を鍛える必要があります。
そんな時に嬉しいのが、「音が聞けるDVD付の本」ですね。
もし頸部聴診にご興味ある方はこちらの本などを参考にしてみてはいかがでしょうか?
こちらの本についてもっとよく知りたい方はこちら!
コメント