らくらくゴックンとは?
「らくらくゴックン」は、食べづらい・飲み込みづらい方のための介助用食器です。
斉藤工業株式会社, http://www.saitow.co.jp/etc_20010.html, 2021年6月6日確認
らくらくゴックンの容器に流動食やミキサー食を入れて、ポンプを押すことでノズルから流動食が出てきて、それを嚥下してもらいます。
この製品は
- 食事に時間がかかりすぎてしまう人
- 口が開けられない人
- 口の中に入ったものを噛んでしまう人
といった人に対して開発されました。
しかし、実際に使ってみると「窒息」「誤嚥」のリスクが高いという意見を耳にします。
「らくらくゴックン」の安全性はどうなんでしょうか?
らくらくゴックンの安全性
らくらくゴックンは「窒息」そして「誤嚥」のリスクが高いのでしょうか?
そういった研究の論文を見つけることは出来ませんでした。
そこで、らくらくゴックンの特徴から、どういった人に対して安全に使えて、どういう人には危険なのかを考察したいと思います。
らくらくゴックンの特徴
ゆっくりと少しずつ流し込めるので窒息の心配は少ない
らくらくゴックンには2つの種類があり、そのうちの1つは、ノズルにクリップが装着されています。
このクリップを操作することで少しずつ安全に口の中へ入れることが可能です。
ノズルをしごくと丁度5ccになるよう調整されている
5ccというのはティースプーン1杯分です。
ティースプーン杯分であれば、窒息のリスクが少なくなります。
噛んでしまう人でも大丈夫な設計
ノズル部分を噛んでしまっても、丈夫なので壊れることはありません。
スプーンなど噛んで介助出来ない人に対して活用できます。
らくらくゴックンの危険性
感覚が低下している人は少しずつ流し込まれると危険
口腔内の感覚が低下しやすい脳血管疾患の患者様は少しずつ流し込まれると、嚥下反射が起こらずに誤嚥してしまうリスクがあります。
5㏄でも反射が遅れる人は遅れてしまうので、VF/VEなどで他覚的検査が必要となります。
噛んでしまう人は食事の認識が乏しい
高次脳機能障害、または顎関節の障害により、思うように口が動かないため、意図せず噛んでしまう人も中にはいらっしゃいます。
しかし、多くの場合、口の中に異物が入ったことによる防御反応のため、噛んでしまっています。
その場合は、食事が認識されていない可能性が高いです。
らくらくゴックンを使用の際
- 今から食事の時間であることの認識を確認
- 噛んでしまうことの自覚があるかを確認
- 病気の回復や噛む問題を解決するまで流動食であることの了承を得る
などの必要があると思われます。
そして、らくらくゴックンを使用することで正しく嚥下出来ているかの確認をVF/VEなどで行うとより良いと思われます。
まとめ
ここまでご覧いただきありがとうございます。
らくらくゴックンはどうしてもスプーンを噛んでしまい、食べれない人に対して、かつ嚥下能力が保たれている人には優れた商品です。
正しく用いて、介助者、被介助者ともに幸せになれるのが一番ですね!それでは!
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