らくらくごっくん。
この製品を使用することで、少しでも食べ物を口から摂取することが可能となる場合があります。
しかし、一部の人から「これは食事ではなく虐待である」という主張も目にします。
実際のところ、どういうことなのでしょうか?
5つの介護虐待から読み解く
- 身体的虐待
- 心理的虐待
- 性的虐待
- 経済的虐待
- 介護放棄
虐待には5つの種類があります。
身体的虐待は、介護を受ける被介護者に対して暴力をふるう事です。
心理的虐待は、介護を受ける被介護者に対して暴言を吐く事を指します。
性的虐待は、介護を受ける被介護者に対して性的な行為を働くことです。
経済的虐待は、介護を受ける被介護者に対して金品を奪う行為などが当てはまります。
介護放棄はその名の通り、介護を放棄することになります。
らくらくごっくんは身体的虐待?
意識のない、被介護者に対して、歯の抜けたところから「らくらくごっくん」のノズルを入れて「らくらくごっくん」内のミキサー食を喉に流し込んで嚥下させる。
これはかなり危険な行為であり、誤嚥や窒息のリスクを伴うため、「身体的虐待」と捉えられてもおかしくはありません。
食事を与えないことは、介護放棄になる
逆に、らくらくごっくんを使用すればご飯を食べられるにもかかわらず、「らくらくごっくんは虐待だ!」と決めつけて食事を与えず放棄することは、介護放棄になります。
もしかしたら、食事を与えないという点も、身体的虐待にもつながる恐れもございます。
問題なのは「被介護者の意図に反して食事を与えるという点」です。
身体的虐待や介護放棄とならないために
被介護者の意思を確認する
- 覚醒レベルの確認
- 食欲の有無の確認
- 食事をしている認識の確認
覚醒レベルの確認
目を開けているか、目を開けていなくても意思疎通が取れるのか、確認します。
重要なのは「今から食事の時間」という認識です。
「ご飯です」という声かけに応答やうなづきが認められれば、食事の認識がある可能性が高いです。
反応がない場合は食事に対しての認識が乏しく、誤嚥や窒息に至るリスクが上がります。
食欲の有無の確認
覚醒や認識の問題をクリアすれば、次に食欲の有無を確認します。
例えば「口唇」にノズルが触れて開口が認められる場合は、食欲があると考えられます。
逆に口を強く閉じて首を左右に振るような反応が出れば、食欲がなく、食事に対して拒否が認められます。
そこで、無理やり口の中にノズルを突っ込んでしまうと、身体的虐待と言われてしまう恐れがあります。
食事をしている認識の確認
らくらくごっくんではどうしても「食事をしている」認識が不足してしまいます。
ぐちゃぐちゃにつぶされた「ミキサー食」を使用することが多いからです。
「ご飯を食べられて美味しい」「●●の味がする」「冷たいのど越し」「温かい」といった「楽しい」認識が欠如してしまいます。
それを少しでも補うために「食事の説明」を行い、本人様が納得されているかどうかを確認します。
食事の拒否が強い人に対して
らくらくごっくんを使用出来ていたとしても、飲み込めない、口に溜め込んで飲み込まないなどの問題へ発展する恐れは十分にあります。
そうなる前に、家族様やキーパーソン様との連携が必要不可欠となります。
他職種とも連携し、カンファレンスを行い家族様、キーパーソン様と今後の方向性を確認します。
もし可能なら、主治医の方にも意見が聞けると良いですね。
そして食事を続行していくのか、どういう時に食事をストップするのか、最終的に経管栄養とするのか、点滴栄養のみで対応していくのかを、話し合います。
まとめ
ここまでご覧いただきありがとうございます。
なかなか難しい問題にはなりますが、この情報が少しでもお役に立てれば何よりです。
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それでは!
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