新人ST向け:認知症の方の音声訓練

新人ST向け
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音声障害の1つ、気息性嗄声は”息が漏れたような声”になってしまう病態のことを指します。

その「気息性嗄声」の訓練の1つとして「プッシング法」があります。

しかし、この「プッシング法」は指示理解の困難な認知症の人には不向きなリハビリです。

では、認知症の方にはどのような訓練を取り入れていけばいいでしょうか?

●嚥下評価および訓練

●呼吸評価および訓練

●姿勢調整

プッシング法とは?

プッシング法の要諦は、①上肢のいわゆる「プッシング動作」と発声を同期させること

熊倉 勇美 / 今井 智子, 発声発語障害学, 2015年01月, 医学書院

上肢に力を入れながら一緒に発声を促す方法ですね。

これにより、「声帯の上にある仮声帯」も閉鎖しやすくなり、発声能力の改善につなげていくことが期待できます。

嚥下評価および訓練について

発声と嚥下には密接な関係があります。

MPTと誤嚥の有無との関係について、誤嚥なしの群では10.55秒、誤嚥ありの群で6.10秒であり、誤嚥ありの群で有意に短縮した

山口 智, 他11名, 嚥下機能と呼吸・発声機能の関係について, 日本耳鼻咽喉科学会, 2019年

特に誤嚥の有無が大切で、誤嚥している場合、咳嗽を頻回に行っていて声帯に負荷がかかっている場合があります。

声帯に負荷がかかることで、声帯の病気になる可能性もあります。

加えて、誤嚥しているということは栄養も不足している危険性もあり、声を出すのがしんどいということも考えられます。

アプローチとしては栄養面の改善、嚥下能力の向上などが考えられます。

加えて、正常嚥下時は誤嚥予防機構により「声帯が閉まる」ため、自然な声帯閉鎖を促せます。

声帯閉鎖が出来るようになれば、自然な発声に近づくことが出来るかもしれませんね。

呼吸評価および訓練

声の強さに関与する要因は、声門閉鎖力と声帯振動様式、声門下圧である。

背臥位における肺活量は座位や立位などの姿勢に比べ低下することが知られており

背臥位の呼気筋力(PEmax)は座位に比べ有意に低下するといわれている

小田原 守 他5名, 姿勢が最大発声時の呼吸補助筋の筋活動に及ぼす影響, 敬心・研究ジャーナル, 2019年

気息性嗄声となる要因として「声門閉鎖力」「声帯振動様式」「声門下圧」などが関与しています。

このうち『声門加圧』へのアプローチとして呼吸訓練が採用されることがあります。

呼吸訓練と言うと腹式呼吸の促しなどがあります。

とはいえ、認知症の人に腹式呼吸を促すのはとても大変です。

認知症の方への呼吸訓練の1つとして『風車』を推奨します。

腹圧をかけて吹きかける「風車」は強い吸気を促すことが可能です。

その結果「自然に胸郭を広げる」ことが可能であり、大きな声を出すことが可能となる場合があります。

姿勢について

背臥位における肺活量は座位や立位などの姿勢に比べ低下する

小田原 守 他5名, 姿勢が最大発声時の呼吸補助筋の筋活動に及ぼす影響, 敬心・研究ジャーナル, 2019年

そのため、しっかりと発声訓練を行うためには、ベットで寝ている状態よりも、座位や立位の方がいいということになります。

そのため、もし可能であれば”立ち上がりの時”の「よいしょ~」という声をしっかり出してもらうことや”立位保持”の時間を数えてもらうなどが有効となります。

まとめ

ここまでご覧いただきありがとうございます。

音声障害を呈した方の発声訓練は難しく、評価をしっかりと行う必要があります。

次回、音声障害の評価についてお伝えしていきます!

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