リハビリスタッフ新人教育向け:パーキンソン病について②

新人ST向け
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前回に引き続きパーキンソン病についてお話させていただきます。

前回はパーキンソン病の4大症候を紹介しました。

今回はその4大症候の1つ「動作緩慢」の発生機序について新人向けにお伝えしたいと思います。

動作緩慢の発生機序

パーキンソン病によって動作が緩慢になってしまう症状の原因に「黒質の変性」があります。

黒質というのは「大脳基底核」にあります。

大脳基底核の機能は「大脳皮質より受け取った情報を基に複雑な筋運動パターンの企画制御」と言われています。1)

大脳皮質から大脳基底核へ情報が流れ、脳幹に一部流れつつも再び大脳皮質へ戻っていきます。

その流れがループとなり「直接経路」「間接経路」の2つ(またはハイパー直接経路を含め3つ)あるといわれています。

パーキンソン病は「間接経路」の問題が非常に起こりやすいです。

ではその「間接経路」と呼ばれるものはどのようなループとなっているのでしょうか?

間接経路とは?

間接経路のループは、まず大脳皮質から始まり、次に大脳基底核にある線条体へ行きます。線条体には黒質からドーパミンを受け淡蒼球外節(大脳基底核にあり)へ情報が行き、さらには視床下核(大脳基底核にあり)や淡蒼球内節(大脳基底核にあり)へ向かい次に視床(大脳基底核にあり)を経て大脳皮質へ戻っていきます。

(青の矢印がループの流れとなります。)

次に「間接経路」の機能とはいったいなんなのでしょうか?

間接経路の機能とは?

間接経路の機能には「大脳皮質にある神経の抑制」になります。

神経を抑制さえることで例えば、運動を抑えることが可能となります。

運動をコントロールする時は「目的の筋肉の出力を上げる」か「目的の筋肉を抑制する筋肉を抑える」必要があります。

声を出したい時、声帯にある筋肉が収縮することで声門が閉まり、発声へと繋がるのです。

声門を閉めて声を出すために、声門を開く筋肉には抑制してもらわなければなりません。

出力を抑えて欲しい筋肉の働きは抑制され、運動をしてほしい筋肉はしっかりと収縮が入る。

このような複雑な運動が可能となり、運動の効率性が増します。

これにより急速な随意運動の実行が可能となるのです。

しかし、パーキンソン病ではどのようにこの間接経路と関わってくるのでしょうか?

パーキンソン病と間接経路の関わり

パーキンソン病では黒質のドーパミン神経が破壊され線条体のドーパミンは欠乏してしまいます。

その結果、間接経路の活動が亢進されてしまい、抑制が強くなってしまいます。

目的の筋肉だけでなく、動かしたい筋肉にも抑制をかけてしまうことによって、運動が緩慢になってしまうということですね。

その目的の筋肉が舌であった場合、構音障害や嚥下障害を生じてしまうというわけです。

まとめ

ここまでご覧いただきありがとうございます。

少しだけパーキンソン病の病態について知っていただけると幸いです。

また、パーキンソン病について新人に伝える際何かの役に立てば幸いです。

それでは!

参考文献

  1. 伊藤 猛雄 小出 祥江 知っておきたいパーキンソン病に対する最新の薬物療法 理学療法 Vol.37 No.6 2020
  2. 南部 篤 大脳皮質—大脳基底核ループと大脳基底核疾患 自然科学研究機構生理学研究所

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