起立性低血圧とは?
臥位から立位への体位変換で血圧が低下する。
立位3分以内に、収縮期血圧が20mmHg以上または拡張期血圧が10mmHg以上低下する場合と定義されている。
岡庭 豊: 医療情報科学研究所: 病気がみえる 脳・神経 vol.7: メディックメディア株式会社 pp.208
といった記載があります。
もう少し詳しく見てみましょう。
急に立ち上がったり、起き上がった時に血圧が低下し、軽い意識障害、いわゆる立ちくらみをおこすことです。
正常者でもありますが、症状が強く病的な場合起立性低血圧といいます。
脳への血液循環が減少することによって起こり、めまい(回転性ではない)や吐き気がおこり、意識がなくなることもあります。
難病情報センター:
https://www.nanbyou.or.jp/glossary/%E8%B5%B7%E7%AB%8B%E6%80%A7%E4%BD%8E%E8%A1%80%E5%9C%A7 2021年8月確認

症状の記載もあるとわかりやすいですね!

「病気がみえる」にて下記も引用します。
自律神経障害など、立位時の血圧低下が代償できない場合は、起立性低血圧が生じる。
岡庭 豊: 医療情報科学研究所: 病気がみえる 脳・神経 vol.7: メディックメディア株式会社 pp.208

自律神経障害という言葉が出てきました。
これが、起立性低血圧を起こす要因の1つと言われています。
起立性低血圧の原因

などなど……多岐にわたりますね!

自律神経障害……気になりますね。
自律神経障害によって起立性低血圧が起こるメカニズムとはどんなものなのでしょうか?
起立性低血圧のメカニズム
自律神経機能が正常であった場合には圧受容体反射が機能し、抵抗血管・容量血管が調節され、起立に伴う血圧下降は最小限にくいとめられる
が、自律神経失調症では重症になると圧受容体反射機能は廃絶する。
佐藤隆幸: 自律神経失調症における起立性低血圧: 医学のあゆみ Volume 243, Issue 5, pp.433 – 438 (2012): 医歯薬出版株式会社

難しい!!
と、思ったら「病気がみえる」でめちゃくちゃわかりやすく書いてくださっていました。

と言う感じのようですね。
さて、気になる嚥下への影響ですが……。
嚥下への影響

何と言っても怖いのが覚醒の低下!
です!!
ベットギャッジを少し上げただけでも血圧が下がってしまい、声をかけても反応が無くなってしまいます。
そうなると食事は難しくなってしまい、誤嚥や窒息のリスクとしてとても危険です。
一応、誤嚥を予防出来ると言われる「完全側臥位」という物があります。
これはまったくベットギャッジを上げずに行うので、起立性低血圧が超重度である人にも対応可能な場合があります。
しかし、安易に「完全側臥位」へ頼るのは問題です。

とはいえ、加齢による起立性低血圧もあるので、認知症を伴うことがあり、本人様の意向が汲み取れずかなり大変です。
食事意欲が認められれば、ゼリーなどからスタートし、少しでも栄養摂取できることが可能であれば良いのですが……。
しっかり意識のある人にはきっちりとした対応が期待されています。
「血圧が下がり、意識が混濁してしまうので、食事は横になったまま食べる。座って食べる方が行儀がいいとされていますが、今は病気のため頑張りましょう。」
といった一言があるだけでも安心ですね。
まとめ
ここまでご覧いただきありがとうございます。
起立性低血圧の対応は大変ですが、少しでも臨床でお役に立てば何よりです……!それでは!
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