臨床メモ:認知症患者様の能力を引き出せたプチ事例紹介

臨床メモ
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認知症の患者様へ治療を進めていくのはとても大変です。

認知症の度合いによりますが、今病気になってしまっていることの理解が得られなかったりしますと、薬を飲んでくれなかったり点滴を拒否したり家に帰ろうとしてこけてしまったりします。

少しでも治療に協力してもらうため「日付・場所」を記憶してもらわないと困ります。

認知症の評価にも「日付・場所」を問うものがあります。

本人様がどれだけ理解出来ているか、その人が持つ力を最大限発揮してもらうため関わらせていただきました。本日がそれがうまくいったのでご紹介します。

プチ事例紹介

A様はアルツハイマー型認知症の方です。

廃用が進み、歩くことが難しいため車椅子で生活されています。

その方は昼間とても穏やかで、同じ昔話を良くされる人なのですが、夜になると時折不穏症状が出ます。

近づくと大声を上げて怒鳴り、暴言もあり、さらには暴力行為も見られます。

そのため、昼間にその方の認知能力を図りました。

ほぼ毎日介入させていただいていますが、毎回「初めまして」です。

A様は新しい物事を記憶することが難しいため、私は常に初回のような、丁寧なあいさつをしています。

A様は私のことを理解できないので、毎回A様も軽く自己紹介をされます。

出身地、昔の仕事、楽しかった思い出を何度も何度も話をされます。

その都度その都度傾聴させていただいています。

毎回「出身地」が出てきますので、そこから細かい場所を聞いていき見当識「状況把握」の賦活を行っていますがあまりうまく導くことが出来ませんでした。

カレンダー作成

認知症の方に対して日付の記憶を促すためによく用いられるのが『カレンダー』です。

自作のカレンダーを作り、A様へ提示。

カレンダーを見て日付を答えてもらいます。色々工夫しましたが、日付の定着には結びついていません。

ですが、本人様はカレンダーに対して不快な反応を示さず、毎回日付を答えようと努力してくださいます。

ポイント

カレンダーに対して不快な反応を示さないため、カレンダーをプレゼントすることにしました。

本人様は礼をいって受け取ってくださいました。

しかし、それで終わってはもったいないです

しっかり次に活かすことにします。

これはA様の物なのでA様の名前を書いておきましょう

するとA様は今まで持たせても何も書こうとしない鉛筆を自ら手に取り、名前を書いてくださいました。

そこでようやく自力でサインが書けることを確認出来ました。すかさず畳みかけます。

横に住所を書いてください 落として無くしても届けてもらえるように

すると本人様はしっかりと自宅の住所を書いてくださいました。

本人様は今の見当識は不十分ですが、自宅の住所を書くだけの能力があることを証明できました。

そこから今の場所、病院であり、治療中であることの説明まではうまくいきませんでしたが、きっと次のステップに繋がり、治療への介入になると考えています。

反省と注意点

「出身地」の話をされている時に「見当識の賦活」が出来なかったのは、本人様がずっと昔話をされるためです。

本人様はその話がしたいため(あるいは病気のため)、自分が今どこに居るのか、どこに居たのかなどのわかりにくい話はしたくないのです。

カレンダーの件がうまくいったからといって同じ内容をしてしまうと飽きられてしまったり、答えられなかった場合は不快記憶として残りやすいので拒否されてしまうことがあります。

引き際を見極めないと以後介入できなくなってしまいます。

まとめ

ここまでご覧いただきありがとうございます。

この内容は応用も効きそうなので、声かけの仕方など、ぜひ何かの参考にしていただければと思います。

それでは!

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