嚥下に関わらず、構音などでも頭部や頸部のアプローチが必要となります。
頭部へのアプローチや頸部のリラクゼーションなどを行う際はどのような点に注意したほうが良いでしょうか?
呼吸補助筋の確認
頸部へのアプローチを行う前に評価しなければいけないのが「呼吸補助筋の確認」です。
特に頸部付近の筋肉である「胸鎖乳突筋(SCM)」と「斜角筋(群)」の確認が大切です。
下の図のように耳の裏から出て浮き出ている筋肉が「胸鎖乳突筋(SCM)」で首から肩にかけて広がるようについているのが「斜角筋(群)」となります。

場所に加えて何を確認していくかと言うと、(自分のと比べて)硬くなっていないか、吸気時に働いていないかを見ます。
「胸鎖乳突筋」および「斜角筋」は吸気時に働く呼吸補助筋です。
この筋肉が働いているということは、呼吸が努力性であることの証拠です。
努力性呼吸が見られる際はいくら頸部をマッサージしても可動性や頸部の伸展及び過屈曲の改善が望めません。
この場合、呼吸介助などで胸郭の可動性を図り、努力性の呼吸を軽減するところからスタートとなるので大変です。
一朝一夕では難しいので長期的なケアが大切となります。
腋を締める

努力性の呼吸は見られず、首の可動性が出る人であれば、頭部を持ち上げて運動を行うと思います。
頭部を持ち、頸部の屈曲や左右の回旋を行う時があります。

その際に、セラピストは腋をしっかり締めて本人様の頭部を持ち上げると楽になります。

セラピスト側が楽であれば、本人様に無理な負担がかからず、安定して頸部の運動を促すことが可能です。
めまい
僧帽筋や胸鎖乳突筋へのアプローチとして頸部を左右に動かすことがあると思います。
ここで、注意すべきなのが「めまい」です。
三半規管が異常を起こしてめまいを誘発させる恐れがあります。
めまいは嘔吐などにもつながり、大変危険です。
本人様がめまいを起こしやすい人なのか確認が大切です。
まとめ
ここまでご覧いただきありがとうございます。
頸部のマッサージや頭部のアプローチも大切ですが、なかなかすぐに効果が期待出来るほどうまくは生きにくいです。
そのため、少しずつアプローチすることが多いですが、その間不良姿勢のまま食事を摂ってもらう場合はリスクがあります。
クッションを用いてポジショニングを行い、本人様にとって安楽な姿勢となるように介入出来ると良いですね!
それでは!
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