出血

あああ。
歯ブラシでブラッシング中に血が出てしまった。
じわじわ血が出て止まらない……。
歯の止血ってどうしたらいいんだろうか?

脳梗塞や心筋梗塞などの病気により「抗凝固薬」「抗血小板薬」が使用されていることが多く、口腔内の出血が認められる事が多いですね。
そういった時の対処法です。
薬の処方があったら
- 口腔ケアをしないという選択はない
- 可能であれば柔らかい歯ブラシで微振動で磨く
- 止血は圧迫止血でOK
特に歯周病などがあるとより出血がしやすくなるので、より力加減を調整しないと出血リスクとなります。
「潰瘍」の対応

気管内挿管中、口腔内にあちこち”潰瘍”のような傷が。
ちょっと触れただけでも痛がられて口腔ケアをキッチリ出来ない。
どうすれば……。

傷ではない所を触っても恐怖に感じ取られてしまい、一切口を触らせてくれない人もいらっしゃいます。
- 脱感作やユマニチュードにて恐怖感を軽減、触れる場所を増やす
- 軟膏(アズノール軟膏etc)が出ているか確認、なければナースや医師と相談
- 保湿を行い、口腔内乾燥を防ぐ
挿管されているチューブにあまり触れず可能な範囲で口腔ケアや口腔内の乾燥を防ぐための保湿剤塗布を行っていき、誤嚥性肺炎予防に努めます。
口内炎

抗ガン治療により、口腔内の衛生が悪くなってしまった患者様。
口腔内の清掃はしない方がいいのかなぁ?

口腔ケアをしないと逆効果です。
むしろう蝕(虫歯)が増えるリスクが上がりより口腔内に痛みが伴います。

説明しても受けれてくれない事が多いけれどもね……。

長期的な説得……。
例えば「安心の喪失」や「チャンスの提示」などがあります。
口腔ケアをしない選択を取った際のデメリット(歯の痛み)だけではなく、今ある『安心の喪失』例えば”痛みで眠れなくなる人もいる”などの提示もあると動く人が出てくるかもしれませんね。
「チャンスの提示」では”今なら器具があるから完璧に汚れを落とせるよ”と提示したりします。

口腔内の炎症部位には極力触れず、ゆっくりとブラッシング、可能であれば含嗽なども行っていきます。
参考文献
藤本 篤志 他7名: 5疾病の口腔ケア -チーム医療による全身疾患対応型口腔ケアのすすめ-: 医歯薬出版株式会社
まとめ
ここまでご覧いただきありがとうございます。
口腔ケアは誤嚥性肺炎の予防としてエビデンスのある処置であり、積極的に行う方が良いとされています。
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これらの情報が臨床で少しでもお役に立てれば何よりです。それでは!
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