今回参考にさせていただいた論文
眞鍋 瑞穂,讃井 真理,河野 保子, 看護師の認識による認知症の高齢者の食事拒否の構造と対応, 健康生活と看護学研究:人間環境大学松山看護学部, 2018年
認知症の方はなぜ食事を拒否するのか
その原因について5つ理由があるそうです。
それのうち3つを紹介します!
といった点です。
もう少し詳しく見てみましょう。
介助者との親和感低下に起因する嫌という思い

いらん!
わからん!
ほっといてくれ!!
と、いう風に「ご飯ですよ」と伝えてもこの3拍子しか話さない人もいらっしゃいます。
親和感低下に起因する内容の例としては「トイレ」などがあります。
転倒リスクの高い認知症患者様の場合、身体機能の低下を認識できず歩き回ろうとしてしまいます。
それを見つけた職員が止めに入る流れが日常的に横行します。
結果「歩いた記憶は残らないのに不快と感じた”感情記憶”は残ってしまう」ため、職員=「行動を制限してくる不快な人間」となってしまいます。
そうなると簡単に親和感は低下しますね。
こうなると厄介ですが、対応も難しいので、時間をかけて関係性の修復を行っていくことや、落ち着くまで時間をずらして食事を摂取してもらうなどの対応が必要となります。
自分の居場所であるという感覚の低下に起因する安心感の喪失
安心感の喪失により、食事意欲は減衰してしまうケースを良く目にします。
職員にはわかりやすく「鬱」という表現も行っています。

食事が喉を通らない。
家に帰ってからご飯食べるわ。
娘がご飯買ってきてくれてるし大丈夫です。
といった返答が多い人ですね。
介助者によって食べたり食べなかったりするので、食べてくれる介助者の人の良いところを真似していく必要があります。
また、男性だと食べてくれなかったり、逆に女性が嫌だというのもあるので患者様に合わせた対応が出来ると良いですね。
心身機能と見当識の低下に起因する食欲の減弱

体動かしてないからお腹空かない。
胃がムカつくから今日はご飯いらない。
味がしない……美味しくない……ご飯いらない……。
1口2口でご飯を終えてしまう人の特徴として心身機能の低下が上げられます。
そこに加えて味覚の低下による食欲の減衰もあります。
こういう方に対して、糖尿病が無ければ甘みの強いゼリーにすることで食事が進んだりすることもあります。
まとめ
ここまでご覧いただきありがとうございます。
認知症患者様は日に日に増えていき、食事に関してはかなり対応が難しく生活総合的な視点が大切です。
なぜ拒否をしてしまうのか、その人の心身・身体・高次脳面も考慮しながら対応出来ると良いですね。
今回ご紹介させていただいた論文は無料で読めるので是非とも残り2つの原因についても読んでもらえたらと思います!それでは!
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