「ご飯を食べる」、人が生きていく上でなくてはならないものですね。
病気によってこれが脅かされ、ご飯が食べられなくなってしまう人がいらっしゃいます。
そうなるとどんどんと痩せ細り、病気に対して抵抗力が無くなっていき、病気の改善が見込めなかったり新しい病気にかかってしまうことがあります。
そのため「食事」のケアは大切です。
生きる上での基礎を支える「食事のケア」について多職種とのやり取りを踏まえながらお伝えしていきます!
事例紹介
今回、「食事のケア」が必要だったのはレビー小体型認知症と診断されたおじいちゃんでした。
レビー小体型認知症とは、脳のあちこちに異常なタンパク質が溜まってしまうことで脳細胞を破壊してしまう病気なのだそうです。
詳しくはGoogle先生や医学に詳しい人に聞いてみてください。
この「レビー小体型認知症」の特徴として「幻視」が起こります。
「幻視」とはそこにないものが見えてしまうことです。
見間違いのレベルから、そこには絶対にないものが見えたりもします。
この「幻視」が起こることによってどんな食事の問題につながるかというと「ご飯に虫がついている」と言って食べなくなることです。

最近ご飯の摂取量が減っています。
このままでは体重が減少してしまい、低栄養のリスクが出てきます。
問題は摂食拒否のようですね。

本人様は「虫がついている!」と言ってご飯を拒否していると
看護師・介護士に確認取れました。
原因は「幻視」によるものと思われます。

何か良い方法はないでしょうか?
本来ないはずのものが見えてしまい、その影響でご飯を食べなくなってしまいました。
出来ればいっぱいご飯を食べて元気になってほしいですが、これではかなり難しい状況です。
非推奨
「虫なんてついてないですよ」
これは患者様の不安を掻き立てるだけで何の効果も期待できません。
それどころか「いやがらせをしてくるスタッフだ」と思い込み、ケアに非協力的となり、暴言・暴力といった問題へ発展しかねません。
対策

リハビリ中、本人様のご職業で「陶芸家」と話は聞いています。
その中でお気に入りの茶碗を使っていらっしゃるとのことです。
家族様ともお話し、一度そのお茶碗を持ってきてもらうよう手配しています。そのお茶碗で食べられるならお茶碗の洗浄をどうするか対策を考えていただけると助かります。
加えて、副食のお皿は白ではなく黒一色と色合いを変えてみてもらうことは可能でしょうか?

わかりました。
それらの件はこちらで対応をさせていただきます。
食事環境面での対策
・管理栄養士さんへお皿の色合いを変えてみることは可能かどうか尋ねてみる
・お気に入りの茶碗があるかどうか本人様や家族様に聞いてみる。
・特定の物だけダメならそれを避ける。
・栄養補助食品または紙パックに入った栄養サポートドリンクを試していく。
まとめ
認知症の方の食事介助はかなり大変で、対策を講じる必要があります。
多職種での連携が必要不可欠なので様々な解決法を試し、有効な手段があれば情報を共有していき、その人によってより良いケアを継続出来れば幸いです。
それでは!
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