新人ST向け:完全側臥位法のデメリットや注意する点とは?

嚥下評価
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◆完全側臥位法を実施する注意点

・食道期の問題がないことの確認

・食道入口部の開大があることの確認

・どちらを下に向けてもらうかを考える

◆完全側臥位法の禁忌

・体動が激しい患者様

・全く嚥下反射を認めない方

・骨折などで側臥位が取れない方

完全側臥位法を実施する注意点

食道期の問題がない

  • 逆流性食道炎(GARD)
  • 気管支食道瘻孔
  • 食道憩室
  • 食道癌

こういった疾患をお持ちの方は完全側臥位法を用いても効果が期待出来ません。

逆流性食道炎や逆流対策で頭部を持ち上げる

15°の頭部挙上追加で逆流は消失した.

頭部挙上位で食事摂取を行うと、食事後半のムセは消失した。

~中略~

食道逆流に対し頭部挙上の追加が効果的であった 1 例を経験した。

松井亮太 他6名, 完全側臥位法導入後の食道逆流を伴う嚥下障害に対し、頭部挙上位が効果的であった誤嚥性肺炎の1例, 日本臨床栄養代謝学会 Vol. 2 (2), 2020年

といった例もあるため、頭部を挙上させ頸部屈曲位とすることで効果が期待出来るかもしれません。

逆流性食道炎や逆流対策で左側臥位とする

胃の逆流防止機構であるHis角を保ち、胃食道逆流を防止する観点から左下側臥位とする

松井亮太 他6名, 咽頭期摂食嚥下障害に対し,完全側臥位法による嚥下の導入後に座位での嚥下に切り替えを行った1例, 日本静脈経腸栄養学会, Vol.1(4) 2019年

胃のHIS角とは

図のような部分のことを指します。

この角度は逆流との関係があるとのことで、鋭角であれば逆流をある程度防ぐ役割があるそうです。

また、胃底部に食べ物が貯留し殺菌などが始まりますが、もし右下側臥位では胃底部の食物が噴門部へ重力により近づいてしまう恐れがあります。

His角などの問題から、左下側臥位が有効であると言われています。

食道入口部の開大がある

嚥下反射があり、喉頭の挙上が認められたとしても全く食道入口部が開大していないということもあります。

VFやVEで嚥下や、咽頭内の食塊が減っているかどうかの 確認が大切となります。

間接訓練にて口腔体操で「最大開口最大挺舌」を行ったり、「バルーン法」という訓練もあります。

数日である程度マシになるか、その間の栄養をどうしていくかなどの計画を立てる必要がありますね。

どちらを下に向けてもらうかを考える

・逆流の疑いがある⇒左側臥位

・声帯麻痺がある⇒健側を下にする

・片麻痺で自己摂取を促す場合⇒患側を下にする

・食道入口部の開大に左右差がある⇒食道が開く方を下にする

逆流の場合は、上記のように左側臥位の方が有効です。

声帯麻痺がある場合は、検査を行い、健側を下にすることでごくわずかでも誤嚥を防止していきます。

片麻痺があるが、自己摂取できる場合は手を動かすため健側を上に、患側を下とします。

ただ、食道入口部開大に左右差が認められる場合は「開く方」を下にすると良いと思われます。

自己摂取を促さないのであれば、片麻痺患者様の場合健側を下にしたほうが良いと思われます。※文献は見つけられませんでした……。

まとめ

ここまでご覧いただきありがとうございます。

◆完全側臥位法の禁忌

・体動が激しい患者様

・全く嚥下反射を認めない方

・骨折などで側臥位が取れない方

禁忌について再度お伝えします。

高度認知症などにより、体動を制御できない方や、運動器疾患により側臥位を取れない方はこの技法を試すのは難しいと思われます。

そして「嚥下反射がない方」また「食道入口部が全く開かない方」に対してもほとんど効果が期待出来ません。

こういった方々のケアは慎重に行いましょう!それでは!

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