含嗽とは?
含嗽「がんそう」と呼びます。
人によっては「ぶくぶくうがい」と言うと伝わるかもしれません。
口の中に水を含み、泡立てるように舌と頬を動かして吐き出す一連の動作のことを指します。
主に歯磨き後、歯磨き粉を綺麗に落とすための仕草として行うことが多いですね。
この【含嗽】ですが、高齢者施設ではとても重要になってきます。
なぜ含嗽の重要なのか?
「含嗽」つまり【歯磨き】は巷で噂の『誤嚥性肺炎』の発症を抑制する効果が期待されています。
実際統計的にも「歯磨き」は効果が期待出来るといわれています。
では、高齢者施設の歯磨きはというと、結構拒否される場合が多いです。
特に高齢者病棟では「歩けない」人が多いですから『洗面所』まで行くことが出来ず、無理な姿勢で歯磨きを行い、口に水を含み、桶(ガーグルベース)に吐き捨てます。

出来る人は良いですが、逆に含嗽の水でムセてしまったり、誤嚥してしまう恐れがあります。
その結果、歯磨きが辛く拒否に繋がり、長期的な口腔内汚染は誤嚥性肺炎リスクを高めます。
そのため効率的で効果的な「含嗽」が求められます。
含嗽が出来る?試す前に見ておきたいポイント
認知症はないか?
こちらの指示の理解が出来ているか?
なぜ歯磨きをしないといけないのか?
これらの段階で含嗽を行ってくれない高齢者の方は多数いらっしゃいます。
そのため認知症のある方への含嗽促しは慎重にならざるを得ません。
含嗽と伝えていても水を飲み込んでしまったり、しっかり嚥下処理できればいいですが、ムセてしまう恐れがあります。
トロミなく水が飲めるか?
万が一飲み込もうとしても、しっかり飲めることが確認できていれば少し安心ですね。
含嗽の評価の前に「嚥下能力」の確認が大切です。
口や舌はしっかり動かせるか?
ぶくぶくという動きが疑似的にでも出せるかどうかの確認は大事です。
ぶくぶくという動きは唇や頬だけでなく舌も積極的に使います。
- 唇はしっかり閉じれるか
- 頬は膨らませられるか/せばめられるか
- 下唇を超えて舌を突出させれるか
模倣でも良いので出来ているところを確認できると「含嗽の試み」が行えます。
環境調整
「含嗽」を試みる際は洗面所で行えるのがベストです。
車椅子に乗れる方であれば乗ってもらえると良いですね。
どうしてもベット上でブクブクうがいしてねと言っても理解が得られないことの方が多いです。
環境を整えて、「今から歯磨きをする事の理解促し」が大切だったりします。
含嗽が行えない場合
口腔用のウェットティッシュやスポンジブラシなどで汚れをふき取る必要が出てきます。
しっかりと口腔ケアを行うことで誤嚥性肺炎を抑えることが可能となります。
まとめ
ここまでご覧いただきありがとうございます。
含嗽についてお困りであれば、是非とも活用してみていただけると幸いです。
日々の臨床のお役に立てれば何よりです。それでは!
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