
Dr.と共に作成する摂食機能療法計画書。
作成するの大変。
でもちゃんと良くなっているかを見極めるには必要なんだけどね……。
そういえば最近また何か計画書で必要な項目が必要になったと伺いましたが、具体的に何が変わったのでしょうか?

摂食機能療法では「経口摂取回復促進加算」という加算が取れていました。
が、その名称が「摂食嚥下支援加算」へ変更しています。そして名称変更と伴い計画書には「FOIS」評価の明記が必要となります。
FOISとは?
”Functional oral intake scale”の略となります。
経口摂取や栄養手段の状態を1~7で評価していきます。
- 経口摂取なし
- 経管栄養とわずかな量の食事
- 経管栄養と均一な物性の食事(ペースト食etc)の併用
- 均一な物性の食事のみ(経管栄養なし)
- さまざまな物性の食事を経口摂取しているが特別な準備が必要(刻み食 トロミかけetc)
- 特別な準備は不要だが、特定の食品の制限がある(軟菜食etc)
- 常食を経口摂取(制限なし)

リハビリテーション総合実施計画書と併用している場合は、FOISの内容を追加するか、評価で書ける部分に追記しておくのが良いですね。
摂食機能療法のみであれば必ずしも必要ではない
「摂食嚥下支援加算」を算定する場合に必要とされるため、摂食機能療法のみを算定している場所はFOISの記載が必要となります。
ゆくゆく「摂食嚥下支援加算」を視野に入れる場合は先に記載欄を作れるかどうか上司と相談してみるのも良いかもしれません。
ただ、算定のための施設基準が格段に上がるので注意が必要ですね。
前回の経口摂取回復促進加算では経管栄養を行っている人に対して30%以上の経口摂取獲得といった施設基準がありましたが、今回は「多職種でチームを組む」といった施設基準が設けられています。
看護師さんには医療団体が開催している嚥下の勉強会に赴いてもらう必要があり、かつ他の病棟とは離れてしまうため看護師不足の昨今でそこまで出来るかかなり心配ですが、そうなった以上それで施設基準をクリアする必要がありますね。
効果判定とは?
摂食機能療法の実施に当たっては、実施計画を作成し、医師は定期的な摂食機能検査をもとに、その効果判定を行う必要がある。
厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000196439.pdf
リハビリテーション総合実施計画書で摂食機能療法計画書を併用する場合は「効果判定」に関する項目を医師と相談して記載してもらう必要がありますね。
効果判定に関する内容の細かな記載は見つけられませんでしたが、PT-OT-ST.netさんでは
算定要件には「医師は定期的な摂食機能検査をもとに、その効果判定を行う必要がある。」とあります。
~中略~
この「定期的な」と「摂食機能検査」については具体的な定義があるのでしょうか?
[摂食機能検査]とはVEやVFを意味するのでしょうか?
PT-OT-ST.net 摂食機能療法の算定について 2012年12月 https://www.pt-ot-st.net/index.php/bbs/detail/266
といった質問が寄せられ、回答もされています。
その内容に加えて医師に摂食機能療法を継続していくか、効果がないため中断していくかの判断を仰いでもらう等が適切であると考えます。
脳卒中の診断がないと摂食機能療法は算定とれない
摂食機能療法の算定対象は「脳卒中」が既往に必要とあります。
それ以外ではVFやVEによる他覚的検査を行い、嚥下障害が認められる人に実施した場合に摂食機能療法が算定でいます。
誤嚥性肺炎のみでは呼吸器リハビリテーションのみの算定となり、継続した嚥下訓練は行えません。

最近では”嚥下評価”,”食形態(の選定)”だけなら疾患別リハビリテーションでも算定可能という記事も見つけました。
あくまで呼吸リハが主体ではあるものの、呼吸器リハ算定での呼吸器訓練+直接嚥下訓練は可能と判断する施設も少なからずいるようですね。
日付について
レセプトやリハビリの指示書には治療開始日が必要となります。
そこから3ヵ月は毎日入ってもいいわけですからね。
ただ、治療開始日は疾患の発症日とは違うのでしょうか?
例えば、「脳梗塞後遺症による摂食機能障害」が顕著と医師と共に判断した場合はそうした診断名をつけてもらうのも手です。
その場合は診断と治療開始日は同じにしておくと混乱が避けられますね。
まとめ
ここまでご覧いただきありがとうございます。
摂食機能療法計画書に関して明確な様式は現在(令和3年9月12日)はないようですね。
総合実施計画書と併用する場合は「効果判定」摂食嚥下支援加算を取得する場合は「FOIS」の記載が必須となります。
これらの情報が臨床で少しでもお役に立てば何よりです。それでは!
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