
Aさん!
まだペットボトルにお茶いっぱい残っているよ。
全部とは言わないけど、今の時間なら半分は飲んでて欲しいなぁ。

みんなそういうけど、
あんまり飲む気起こらんねんなぁ。
皆さまもこんな経験ありませんか?
リハビリスタッフや看護師介護士の方も困っていることの1つに「水を飲まない」があります。
人それぞれ拒否の理由が違いますが、1つずつ拒否する理由について考えていき、解決策を見つけていきましょう。
飲水拒否の理由
- トイレが近くなる
- 嚥下能力の低下
- 姿勢が悪い
- 腹部疾患
- 排尿障害
トイレが近くなる
飲水拒否の理由で一番考えられるのが「トイレが近くなる」ですね。
ではなぜ「トイレが近くなるのが嫌なのか」
そこにも3つ代表的な理由が挙げられます。
- トイレへ行くまでの距離が大変
- 服の着脱動作が大変
- 汚してしまうリスク
高齢者になると運動能力も落ちていき、少しの移動も億劫になります。
それが如実に出てくると室内移動も問題となってきます。

トイレへ行くまでに
- 座椅子から立ち上がり
- 手すりを持ちながら
- 段差を超えて
- 体の節々の痛みをこらえながら
- トイレへ向かうこと
は大変です。
出来るだけ回数を少なくしたくなる気持ちもわかります。

それだけならいざ知らず「服の着脱動作」が大変です。
つたい歩きで、こけそうな体を必死で支えている状態から、ズボンを下ろすために両手を使わなくてはなりません。
2本の脚で立ち続けて、うまくバランスをとりながら服を脱ぐため、倒れないように身じろぐ。
高齢者の方にとっては大変な作業となるのです。
頑張って頑張ってここまでたどり着いても汚れてしまっては2度手間です。
トイレ周りの清掃、服の洗濯……高齢者にとっては重労働です。
そのため「トイレへ行く回数を減らすためお茶を飲まない選択を取ってしまいます」。
解決策としては住環境の調整にてトイレがしやすくなるように手すりを配置したりすることなどが上げられます。
嚥下能力の低下
本人様が水を飲みたくても飲み込めずムセてしまうため飲まない選択をとってしまうパターンです。
解決策はトロミの調整など飲みやすい環境を整えることですが、トロミ拒否などもありなかなか勧められないこともあります。
その時はこちらもチェックしてみてください。
姿勢が悪い
意外と見落とされがちなのが「姿勢が悪いから」です。
猫背、円背が強い高齢者の人は「胃が圧迫」されてしまい、満足に量を飲むことが出来ません。
そのため解決策は「少量ずつ飲んでもらう」ことです。
注意点として、飲んですぐベットで横になってしまうと逆流する恐れがあるため可能な限り起きて置いてもらえるか、予めベットギャッジを上げておく必要があります。
在宅で一人くらいですと、なかなか難しいため多職種との連携を図りベットギャッジを上げるタイミング下ろすタイミングを事前に話し合う必要も出てきます。
腹部疾患および排尿障害
これの解決策としては医師の力が必要不可欠です。
診察をしてもらい、治療などへ進めていくのが良いですね。
外来へ行くのが難しい場合は往診などの対応が必要となってきます。
まとめ
ここまでご覧いただきありがとうございます。
高齢者への対応は難しいです。
一人私が担当させていただいた利用者様は「職業上飲水出来ない」という人でした。
その方は「漆職人」でして、漆を塗る際汗が付かないよう極力飲み物を飲まなかったのだそうです。
日頃から飲まない人に対して飲む習慣を作るのは大変でしたが、ジュースがお好きなので、ジュースにとろみを付けて飲んでいただきました。幸い糖尿病はなかったので可能な限り水分摂取を促せました。
嚥下面に問題のある人は「jelly drops」などの商品もあるため是非活用してほしいと思います。
何かのお役に立てば幸いです。それでは!
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