新人ST向け:着衣失行のリハビリのための評価方法

新人ST向け
この記事は約3分で読めます。
スポンサーリンク

〇明確な評価方法はない

〇着目すべきポイントはある

〇評価をして適切なアプローチへ繋げる

着衣失行の評価バッテリーはない

残念ながら、2021年8月現在で、エビデンスのある評価バッテリーはないようです。

そこで、バッテリーではなく、様々な着目すべきポイントを見て評価していくことが大切です。

必要な情報収集

  • 現病歴
  • 神経学的所見
  • 神経心理学的所見

などがあります。

現病歴

入院に至る経過について記載が必要であり、病気となった経緯を知ることで環境設定をどうするかを考える指標となったりします。

神経学的所見

  • JCS
  • 見当識
  • 麻痺の程度
  • 記憶
  • 言語
  • 注視や追視など、気になる眼球運動
  • 視力や視野の問題
  • 痙攣の有無

こういったポイントに着目し、服を着ることが難しくなった理由が、着衣失行以外にないかを調べたりします。

神経心理学的所見

  • HDS-RやMMSE、MOCA-J
  • 失行のスクリーニング
  • 物品の使用
  • 半側空間無視の有無(BIT)
  • FAB
  • 視覚性注意障害

HDS-Rは構成の課題がないですが、MMSEやMOCA-Jなどの認知検査は構成課題があるため、構成障害の有無をスクリーニングすることが出来たりします。(認知症がないことが前提だったりしますが)

失行のスクリーニングは「観念性運動失行」「観念性失行」がないか物品を使ったり、敬礼のマネをしてもらったりします。

半側空間無視の有無としてBITがありますが、線分抹消検査や日常生活上で生じる問題で半側空間無視の有無を確認したりします。

FABは前頭葉症状のスクリーニングになるので、前頭葉症状がないかしっかりと見ておきたいポイントですね。

視覚性注意障害というのは

視覚性注意障害は背側型同時失認とほぼ同義と考えられ、比較的単純な複数のものを同時に知覚できない、もしくは複雑な対象の各部分を同時に知覚できない状態である。

視覚性注意障害では視覚対象が急に消えたり現れたりする断片視や、なかなか物を探せない探索困難を訴えることがある。

鈴木 匡子: 注意障害の不思議: 神経心理学雑誌, 第35巻,第2号,2019年

が定義としてよく見られます。

といったポイントに着目し、可能であれば着衣失行以外の問題がないことを見ていきます。

着衣失行の観察項目

服の種類

上着はかぶって着るタイプの服と、前開きで袖を通す服があります。

どのタイプの服でエラーが起こるかを見ていきます。

様々な論文では「かぶる」タイプの服はエラーが少なく、袖を通すタイプの服でエラーが多いとのことです。

服の認知の問題

服という構造を理解しているかを見ていきます。

襟やボタン、肩にあたる場所などが合っているかを確認します。

服の各種名称の理解や、服と身体ボディイメージがしっかりもっているかの確認が大切です。

着衣失行3つのエラー

実際に服の着替えをしてもらいます。

そこで

  • 手順エラー
  • 視覚エラー
  • 操作エラー

のどこが悪いかを見ていきます。

手順エラーは、袖を通す前に先にボタンを留めたりする問題が出てきたりします。

視覚エラーは、袖の穴を認識できないなどの問題があったりします。

操作エラーは、袖を通す時にうまく袖の穴に手を入れられなかったりします。

着衣の工程の評価

こちらは上着になりますが

  1. 衣服を広げる
  2. 袖を通す
  3. 肩まで引き上げる
  4. 服を後ろに回す
  5. 反対側に回して袖を通す
  6. 整える
  7. ボタンを止める

こういった7つの過程のどこでエラーが出ていくか質の評価をしていきます。

まとめ

ここまでご覧いただきありがとうございます。

着衣失行はなかなか治療と言うよりも代償行為で対処するパターンが多いですね。

代償行為についてはこちらも参考にしていただけると幸いです。

臨床での参考となれば嬉しいです。それでは!

コメント

タイトルとURLをコピーしました