
今日入ってきた患者様。
誤嚥性肺炎によって廃用症候群にもなってしまったらしい。

寝たきりで、経口摂取はなく胃ろう、意思疎通は取れず従命不可、発声はなくなんなら覚醒も良くない。
こんな状態でどうやって目標を打ち立てたらいいのだろうか?
ポイントは呼吸
- 長期臥床
- 経口摂取不可
- 指示理解困難
- 意思疎通不可
- 刺激に対して発声もなく
- 覚醒不良
超末期な患者様に対してリハビリを行う場合も時としてありますね。
そんな場合に何を目標とすればいいのでしょうか。
1つのヒントとして「呼吸」といった視点を持って欲しいと思います。
かなり末期の患者様にとって恐ろしい病気の1つに『誤嚥性肺炎』があります。
『誤嚥性肺炎』を防ぐために「口腔ケア」が必要でして、末期な患者様に対しても行うことが可能です。
しかし、目標に「誤嚥性肺炎予防」は何か違う?と思われる人も少なくないと思います。
その答えに「測定可能ではない」「期限が決めづらい」という点があります。
目標の決め方
目標設定には「SMART」という考え方があり
- 具体的で
- 測定可能で
- 達成が可能で
- 目標に関連した
- 時間制約がある
これらのうち、特に
- 測定可能
- 時間制約
が決めづらいですね。
まぁ具体的かというと具体性に乏しいとは思いますし、達成可能というのは『誤嚥性肺炎予防』を何を持って達成出来たと言えるの?という話になりますのでその通りなのですが。
『誤嚥性肺炎予防』を数値として表す方法は開発されていないですし、時間制約というのも、もちろん可能であれば死ぬまで誤嚥性肺炎予防をしたいですよね。
こういった点で本音では『誤嚥性肺炎予防』という目標を立てたいですが、他の目標も必要となってくる場合があります。
呼吸の目標
例えば”具体的”を例に挙げてみます。
もしその人が「酸素吸入」をされていたら、「呼吸機能を向上させルームエアーでの安楽な呼吸を獲得する」といった具体例を出すことが出来ます。
酸素がないのであれば「安楽な正常呼吸数の獲得」といった(短期的な)目標を掲げることが出来ます。
もちろんこれはほんの前段階です。
そこから次の目標として”深呼吸の獲得”などが上げられると思います。
そこへさらに”発声”や”咳嗽”といった視点へ発展させることが可能となります。
よりSMARTな視点として
- 具体的:吸引回数の軽減、自然な呼吸数の獲得、深呼吸による吸気能力の向上、発声機会の増加
- 測定可能:1日10回から8回への減少 1分間に28回から20回への減少 呼気時間延長 発声持続時間
- 達成可能:1日吸引回数0回はいきなりは無理
- 目標と関連した:呼吸から誤嚥性肺炎予防としての関連性と、呼吸から発声への関連性を見る
- 時間制約:3か月/6ヵ月の間になど、短期・長期的な目標を決める
などが上げられると思います。
覚醒アプローチは難しい
様々な方法はありますが、なかなか覚醒へのアプローチが難しいですね。
何をもって上がったと言えるかも難しいですし、アプローチ方法も患者様次第と言う点もあるので、目標としては上げにくいですね。
決して無理と言うわけではないのですが、覚醒よりも呼吸という面をおススメしたいと思います。
まとめ
ここまでご覧いただきありがとうございます。
呼吸アプローチもなかなか難しいですが、様々な分野の知識も取り入れていってほしいと思います。
それでは!
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