認知症と失語症の鑑別とは?

臨床メモ
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認知症と言われて入居してきた利用者様。

でもなんとなく失語のような気がする。

認知症と失語症、鑑別するには何が必要なのだろうか?

〇基本は画像による医師の診断

〇画像診断が厳しい場合は各種認知機能検査

〇スクリーニングテストも有効と思われる

基本は画像診断

認知症の種類

認知症を鑑別するためには、まず種類について知る必要があります。

認知症は大きく分けると2つあり、「変性性認知症」と「脳血管性認知症」があります。

脳血管疾患……脳卒中により脳にダメージを負った場合、認知機能に障害が出て認知症と診断されることがあります。

そして、良く聞く『アルツハイマー型認知症』は「変性性認知症」に分類されます。

「変性性認知症」のどれも、脳画像により判別が可能となります。

  • アルツハイマー型認知症……側頭葉内側面にある海馬を中心とする大脳皮質の萎縮
  • レビー小体型認知症……後頭葉の血流低下がみられる
  • 前頭側頭葉型認知症……前頭葉・側頭葉の萎縮や血流低下がみられる

と言った具合に画像を撮って診断が下されることもあります。

ただ、画像を撮る機会や機械がなく、加齢によるものか、認知症かどうか怪しい人も中にはいらっしゃます。

特に施設などでは、認知症と診断がついているわけではないが、明らかに認知症のような症状がみられるという人もいらっしゃいます。

そんな中、失語症との鑑別が求められる時、どのような鑑別方法があるのでしょうか?

各種認知機能検査

代表的なのは

  • MMSE
  • HDS-R

ですね。

しかし、どれも言語性認知検査のため、失語症の人も同じく点数が下がってしまいます。

そのため、その他の検査を行うことで認知症との鑑別を図ります。

レーブン色彩マトリックス検査

非言語性検査でかつ、簡便に検査を取ることができて、知能検査と相関のあるRCPM(レーブン色彩マトリックス検査)が失語症と認知症の鑑別でよく用いられています。

カットオフ値は24/25点で24以下が知能の低下の可能性が考えれます。

どう考察するか

それぞれの検査から、点数が割り出すことが可能になると思います。

具体的にはこんな感じです。

①RCPMがカットオフ値以下で、MMSEやHDS-Rがカットオフ値以上

②RCPMがカットオフ値以下で、MMSEやHDS-Rがカットオフ値以下

③RCPMがカットオフ値以上で、MMSEやHDS-Rがカットオフ値以上

④RCPMがカットオフ値以上で、MMSEやHDS-Rがカットオフ値以下

この4パターンが出現します。

①はHDS-RやMMSEがカットオフ値以上のため認知症の可能性は少ないですが、RCPMが低下しているため、何らかの高次脳機能障害……例えば視空間認知に問題がある可能性があります。

②は認知症の可能性が他と比べて高いでしょう。RCPMと、MMSEやHDS-Rが低下しているためです。

③は健常者となり、認知症である可能性も他と比べて低いでしょう。理由はどの検査でもカットオフ値以上だからです。

④は失語症の人が多い傾向です。RCPMはカットオフ値以上でありながら、言語性検査であるMMSEやHDS-Rがカットオフ値以下のためです。

まとめ

ここまでご覧いただきありがとうございます。

認知症の種類から検査の鑑別まで記載してきました。

実際の臨床では、年齢が高齢となり、認知症と失語症どちらも持ち合わせて介入が難しい場面が多くあります。

その場合、認知症と失語症の鑑別には検査だけではなく、日常生活上での症状も要チェックとなります。

「日常生活での困り事が認知症によるものか失語症によるものか」を詳しく見ていくことも大切です。

例えば……

  • 失語症……喚語困難,言語のみでの指示理解困難
  • アルツハイマー型認知症……物取られ妄想,俳諧,異食
  • レビー小体型認知症……パーキンソニズム,幻視
  • 前頭側頭型認知症……脱抑制,常同行動

など様々です。

日々失語症の症状や認知症の症状について情報を収集しておくと臨床で活かせますね。

これらの情報が臨床で少しでもお役に立てば何よりです。それでは!

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