ご飯を食べている時に出てくるムセ。
ムセが出た時、どのような対応をしたらいいのでしょうか?
です。
1つずつ見ていきましょう。
ムセが起こった時は焦らず見守る
声かけを行い、しっかり咳をすることを促します。
下手に体を動かすと咳の邪魔になることがあります。
背中を軽くさすり、顔を下に向ける程度に留めておきましょう。
吐き出しが出来そうなら吐き出させる
口腔内にあるものがさらに誤嚥しないように、吐き出せそうなら吐き出してもらいましょう。
誤嚥性肺炎リスクの高い患者様には有効です。
誤嚥性肺炎の既往があり、かつ激しいムセが認められた場合は無理のない範囲で吐き出すように声かけをします。
そのため誤嚥リスクの高い人には食事の前に「ガーグルベース」の用意があると安心ですね。

呼吸が落ち着くまでは食べさせない
前頭葉が障害されている人は抑制が効かずに食べようとしたり、元々せっかちな人はムセながら食べようとする時があります。
咳をしっかりとさせて呼吸が落ち着くまで食事をさせないよう、お膳を引くといった配慮が必要です。
そしてSpO2を測定します。
酸素飽和度測定を行い、90%以下となるようであれば、吸引などの窒息・誤嚥に対する処置を行いながら、医師と対処方法について検討する。
小山 珠美, 口から食べる幸せをサポートする包括的スキル 第2版: KTバランスチャートの活用と支援, 医学書院, 2017年
咳嗽力が低い人にも吸引を行うことがあります。
うまく強い咳が出てしっかり吸引が出来ることで呼吸が再開し、落ち着くことができます。
ただ、窒息の場合は処置が追加されます。
窒息の場合、吸引での対処だけでは不十分で、ハイムリック法を行う必要があります。

端坐位でご飯を食べている人にハイムリック法を行うのは比較的楽です。
しかし、体が大きい人やリクライニング位で食事をしている人は難しいです。
1人で対処しようとせず、複数人で取り組みましょう。
例えば、リクライニング位で食事をしていて窒息が認められた場合、応援を呼んで3人係で対処しましょう。
1人または2人がかりで患者様の体幹を起こした状態に留め、もう一人は背中のリクライニングを下ろしつつ、ベットの上に登り、患者様の後ろに回ってハイムリックを行うといったこともします。
そして適宜吸引を行いつつ、主治医などへ連絡をしに行ったり、さらに応援を呼んでもらったりしてもらいます。
そして適宜吸引を行いつつ、主治医などへ連絡をしに行ったり、さらに応援を呼んでもらったりしてもらいます。
詳しくは、日本医師会が出している「窒息の対処法」をご覧ください。
救急蘇生法, 日本医師会, 2021年 5月28日 23時確認
ムセが起こった時の考え方
例えば「ゼリーで」「リクライニング30度」「クラッシュ状で提供」していて10口目でむせた。
というふうに記録することが出来ます。
そして可能な範囲で「咽頭残留」か「早期咽頭流入」かどちらによる誤嚥なのかを考えます。
もちろん、嚥下中誤嚥もあり得るでしょうが、上記2つであれば、ある程度見ていくことが出来ます。
嚥下反射後に【頻回な咳払い】があったり、口腔内に残渣が見られる人は咽頭残留を疑いますし、嚥下前にムセが認められた場合は早期咽頭流入の可能性があります。
可能性を出せるだけ出して、VF/VEにて精査していき、訓練に反映させていけると良いアプローチになると思います。
まとめ
ここまでご覧いただきありがとうございます。
ムセた時の対応は難しいですが、落ち着いて対処が出来ると良いですね!
また、いざという時のために「ハイムリック法」「心肺蘇生法」について理解し、実践できるレベルにまで持っていけるようになると、自分自身が安心します。
そしてむせた状況を整理し、嚥下のタイミングから病態を予測し、リハビリをより良く出来るようになると良いですね!それでは!
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