咀嚼筋の観察

咀嚼筋は4つありますが、特にわかりやすいのが「側頭筋」です。
側頭筋が収縮して盛り上がる部分があります。

開口時に側頭筋が伸ばされ、閉口時(噛む時)に側頭筋が収縮して青の部分が盛り上がるように動きます。
この部分を触らせてもらうとよりわかりやすいです。
この部分が働いていないとしっかり「噛みしめる」ことが難しいかもしれません。
顎の動き
- 内側翼突筋
- 外側翼突筋
顎を左右前後に細かく動かす筋肉になります。
これらの動きは「すりつぶし」の動きになるので、食べ物をさらに細かくするのに必要な動きとなります。
正面から見させてもらい、顎が左右に動いているかの確認、横から観察させてもらい、顎が前後に動いているかを見ていくのも良いですね。
食べこぼしの有無
咀嚼運動中、食べ物が口からこぼれていないか、よだれが口角から出ていないかなどを確認します。
そういった点が見られる場合は「食塊形成」の不良などが考えられ、ムセに繋がる恐れがあります。
食塊形成不全によって
食べ物が塊とならず、喉に送られてしまうと、嚥下圧が食塊にかかりにくくなり、喉の中で分散してしまいます。
結果、咽頭に残留してしまったり、食道に入らず鼻や口腔への逆流、誤嚥につながる恐れがあります。
食塊形成不全の評価
- 口腔内残渣
- 唾液の有無
- 食事形態
- 食事介助方法の工夫
口腔内残渣
1口を嚥下した際、口の中を確認してみます。
もしも、細かな残渣が口の中に残ってれば、食塊形成がよく出来ていない可能性があります。
口腔内残渣があるままベットに横になるとそのまま唾液とともに誤嚥する恐れもあります。
舌と唾液と咀嚼の評価を行いつつ、アプローチしていき、誤嚥性肺炎の予防としてはお茶の促しや口腔ケアの促しがあります。
唾液の有無
唾液と細かくなった食べ物が一緒になって混ざることが食塊形成には大切です。
唾液があまり出ていない口がぱさぱさの人は食塊形成が不十分となりがちです。
食事前に唾液腺マッサージなどを行っていき、食事のしやすさに差が出るか、本人様に確認を取ってみるのも良いですね。
食事形態
舌の問題、咀嚼の問題などで食塊形成がうまくいかない場合は食形態の変更を行い、誤嚥性肺炎の予防に努めることもあります。
食事介助方法の工夫
本人様が食べたい食形態であれば「交互嚥下」などの工夫で摂食可能かどうかを見ていく必要があります。
まとめ
ここまでご覧いただきありがとうございます。
咀嚼に関して、なかなか見ていくのが難しいですが、こういったポイントを1つに評価してみて欲しいと思います。
それでは!
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