新人ST向け:高次脳機能障害のお話

新人ST向け
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先日とあるSNSの投稿が目にとまりました。

「大脳損傷じゃない場合は高次脳機能障害は出ない」

先輩からそう教わったんですけど本当ですか?

それは違うと思います。

そう思ったのですがうまく言語化出来ず、戸惑ってしまいました。

ですが、明晰な方が「CCAS」という反例を出しておられました。

CCASって何ですか?

CCASとは

小脳の主たる機能として運動の調節や制御があるが、最近では小脳と高次脳機能の関係が注目されている。

また、近年発展した神経放射線学および神経解剖学などの面からも、小脳の高次脳機能への関わりについて様々な報告がなされている。

小脳の障害による高次脳機能障害はCerebellar cognitive affective syndrome(CCAS)として臨床報告され、その主症状の1つに言語障害がある

福永 典子, 徳田 佳生: 錯書を呈した Cerebellar cognitive affective syndrome の 1 例: Jpn J Rehabil Med 2011 ; 48 : 628.634

言語症状以外にも、空間認知や遂行機能障害などの障害も出るようですね。

大脳病変でなく小脳病変でも高次脳機能障害が出てしまうということは、大脳損傷だから高次脳機能障害が出て、それ以外は出ないという理論が破綻しますね。

なぜ大脳損傷以外は高次脳機能障害が出ないと思ったのか

私としてはこちらの方が気になりました。

なぜ気にしてしまったのか。

一体いつから―――高次脳機能障害に局在があると錯覚していた?

急に何を言い出すのか。

と、いうことで一般的に「失語・失行・失認」などの高次脳機能障害には局在があると言われていて大脳の損傷によって見られます。

しかし上記に挙げた3つ以外の高次脳機能障害……例えば注意障害などはどうでしょうか。

大脳に局在があるでしょうか?

注意障害の局在?

聞いたことないなぁ?

「病気がみえる」※

では注意障害の病巣は前頭連合野(前頭前野:前頭葉)にあると記載がされています。

岡庭 豊: 医療情報科学研究所: 病気がみえる 脳・神経 vol.7: メディックメディア株式会社第一版 第8刷 pp.139

前頭連合野(前頭前野)のイメージ図

臨床だと結構どこの病変でも注意障害としか言えない症状が出てるけれども……。

この辺りの考え方は結構混乱してしまいますが、わかりやすい表現をしている動画がありましたのでご紹介です。

【前編】医師が教えるリハビリテーションのための脳画像評価... | 配信動画一覧 | リハノメ | [株式会社gene]コメディカル向けセミナーと介護保険事業・出版事業
理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・看護師・介護スタッフなどを対象としたセミナーと介護保険事業、出版事業の株式会社gene(旧合同会社gene)

41分28秒~と44分03秒~47分54秒あたりの話がすごく参考になりました。

その他この動画の感想はこちら!

脳幹病変では高次脳機能障害は出ない?

小脳でも高次脳機能障害が出てしまうことがわかりましたし、高次脳機能障害はどこでも起こりうる可能性があるとのことですが、生命を司る脳幹でも高次脳機能障害は起こり得るのか?

調べてみたところ、抄録第44回高次脳機能障害学会で橋出血によって注意記憶の障害、前頭葉機能低下症が認められたとのことです。※橋病変を契機として高次脳機能障害を呈した 2 症例

その他にも、橋梗塞(脳幹部)の病変により前頭葉症状が出たという論文もあるので、やはり高次脳機能障害はどこの病変でもありうることがわかりました。

まとめ

ここまでご覧いただきありがとうございます。

高次脳機能障害はアプローチが難しいだけでなく病気の理解も難しいのでこれらの情報が少しでもお役に立てばなによりです。それでは!

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