臨床メモ:看護師さんが聞きたい失語症者との関わり方

臨床メモ
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今日も今日とて失語症患者様の言語評価。

1人目が終わったとこだし、早速病棟へ行って情報共有しなきゃ。

担当ナースさんに現状の報告っと。

・言語理解は単語と短文が良好。

・文字理解は不良で表出も困難なため首振りジェスチャーで対応。

・日常会話では単語レベルでの問いかけにしてほしい……っと。

こんな感じかな?

ちょっと待って!

それだと具体性がなく、機能面に重視された評価となりがちです。

病棟内の”活動”を意識した情報をナースさんは求めています。

ナースさんが求める情報

とある論文でこんなことが書かれておりました。

看護師が必要としている情報と、言語聴覚士が提供している情報の間に不一致が生じている可能性がある。

及川 翔, 藤田 郁代, 回復期リハビリテーション病棟における失語症者のコミュニケーションに関する言語聴覚士と看護師の情報共有の検討, 言語聴覚研究 第18巻 第4号 2021年 pp.285-294

情報の不一致?

あーあるかも。

困惑した表情よくされるんですよね。

こっちとしては「喚語困難」とか専門用語をなるべく使わないよう配慮しているつもりだけれど……。

ナースさんからしてみれば「結局何したらいいの?」ってなりますよね。

上記の論文では次のようなことが書かれていました。

言語聴覚士は認知領域と言語形式領域において活動よりも機能の情報を重視して提供していた。

一方、看護師は必要とする情報について機能と活動の間に差を認めなかった。

及川 翔, 藤田 郁代, 回復期リハビリテーション病棟における失語症者のコミュニケーションに関する言語聴覚士と看護師の情報共有の検討, 言語聴覚研究 第18巻 第4号 2021年 pp.285-294

なるほど!

上記の結果だと、機能面に重視した情報提供のみだったと。

活動面を意識した情報共有が必要だったんですね!

ん~でも、具体的にはどんな活動について伝えたらいいのだろうか?

認知領域や言語形式領域って具体的に何だろう?

上記論文を参考にすこし考えてみました!

失語症患者様の病院内活動に着目

認知領域の機能面とは

上記の論文では「注意機能」や「記憶」「遂行機能」、前頭葉の「抑制」などが関わっている領域とされています。

そこに加えて「病識」「意欲」なども含まれているようです。

〇注意持続力は不良です

〇記憶力もあまりよくありません

〇病識も保たれていません

ここまで極端じゃないでけれど、この程度の情報しかナースさんに伝わってないかもなぁ。

認知領域に関わる活動面も伝えられると良いですね。

認知領域の活動面とは

〇自ら話しかけることがあるか

〇感情的な言動/行動が認められるか

〇危険な行為についての制止指示が守られるか

などが上げられると思います。

この情報を元に

・タッチコールなどの対策をするか

・同病室者への配慮や転床対策

・コミュニケーション活動対策

などを考えていけますね。

まとめ

ここまでご覧いただきありがとうございます。

失語症の患者様との関わりは難しいと感じる部分はあると思います。

これらの情報が少しでもチーム医療の助けになれば幸いです!それでは!

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