失語症、それは「読む・書く・聞く・話す」などの操作が難しくなる病気です。
局所的に1つの操作が難しくなることもあれば2つだけであったり、4つ全ての操作が難しくなることもあります。
これは重症度によって変わります。
重症であると、様々な症状が出てしまいます。
”うなずき”や”首振り”のみでのコミュニケーションになるパターンや、相手の言っていることが「聞きとれず」パニックになる人もいらっしゃいます。
そして「話す」ことも難しくなると「日本語にはない言葉」を発してしまったりすることもあります。
かなり重度になると復職は困難を極めますが、うまくいっているパターンもあります。
今回紹介させていただく論文はうまくいった症例様の紹介がされていました。
その論文のポイントについてお伝えしたいと思います。
論文紹介(参考文献)
藤永 直美, 武原 格, 失語のある人への就労支援-知っておきたいポイント, OTジャーナル Vol.55 No.1, 2021年, pp66-71
この論文のおススメポイント
などがあります。
失語症者と雇用者が感じる障壁が表でまとめられている
失語症者の方は「読む・書く・聞く・話す」などの操作が難しくなるとお伝えしました。
ここでの「聞く」という操作が難しくなると相手の話をしっかり聞き取ることが出来ません。
相手の言葉の意味が理解しにくかったり、まったく違う解釈をしてしまうということもあります。
そのため「仕事関連の言葉の理解が追い付かない」などは障壁となり得ます。
そして雇用者側からすると、うまくコミュニケーションが取れなくなり、仕事がうまく回せるか不安になると思います。
失語症の人は何が出来て何にハンディキャップがあるのかの理解が難しく、うまく配慮が出来るかという心配も含まれます。
そういった「障害の理解」が大きな障壁となるのです。
そのほかにも様々な『障壁』が紹介されておりました。
復職までの流れが詳細に書かれている
病院での生活状況から退院、仕事復帰までの流れが詳細に書かれておりました。
仕事復帰の際は「医師・リハビリ・失語症本人様・家族・会社の人」でカンファレンス(会議)を行ったなどの記載がされており、すごく参考になる論文でした。
復職後の状況まとめがわかりやすい
復職後の状況が表でまとめられておりすごくわかりやすかったです。
本人様からの報告や会社側のフィードバック、問題や障壁に対する対応方法の3つがまとまっており、すぐに対応できる実践的な内容でした。
まとめ
ここまでご覧いただきありがとうございます。
失語症の方の就労支援はとても難しく、困難を極めますが、こういった支援も出来るという指標の1つになっているのではないかと思います。
失語症はなかなか完治が難しいですが、こういった支援も視野に入れるのも大切だと思います。
何かの参考になれば幸いです。それでは!
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