ALSとは
ALSは、運動神経が特異的に障害される晩発性の進行性神経変性疾患である。
病態の進行は極めて早く、人工呼吸器を使用しなければ数年ほどが発症後3~5年で死に至る。
本間謙吾 他2名, 亜鉛恒常性の破綻とALS, ファルマシア Vol.54 No.7, 2018年
という病気です。
主に運動神経、脊髄の運動神経が通る「側索」という部分に変性が起こったり、脊髄の「前角」と言う部分で萎縮が起こるそうです。
その結果
といった症状/問題が3~5年で起こる病気ですね。
加えて、根本治療方法も未だ確立されていないので、とても怖い病気となります。
Drや多職種と連携し、目標を設定すること
病院であれ、訪問リハビリであれ、リハビリを行う上で外せないのが「目標」となりますね。
その際に必要となってくるのが「本人様や家族様への主訴/希望の聴取」です。
希望や主訴から、目標を掲げてアプローチしていくのはどのリハビリでも変わりませんね。
とはいえ、ALSの目標って何があるのか気になりますね。
どのように関わっていくか例を挙げてみますと……。
リハの目標は、
残存身体機能や日常生活動作(ADL)の可及的維持
生活の質(QOL)向上のための生活援助
肺炎など二次的合併症の予防
患者や家族の介護負担軽減や心理的支援
人工呼吸器装着後の呼吸管理や
日常生活動作に関連した各種の介助指導
介護者の負担軽減や生活支援
コミュニケーション手段や
車椅子などの福祉機器の調整
等にも及んでいる。
早乙女郁子 他2名, 在宅筋萎縮性側索硬化症患者に対する訪問診療とリハビリテーションの関わりについて, 日本リハビリテーション医学会誌 Vol.46 No.1, 2009年
これらの中で特にSTが重要視すべきなのは
- 肺炎など二次的合併症の予防
- 患者や家族の介護負担軽減や心理的支援
- 人工呼吸器装着後の呼吸管理
- 日常生活動作に関連した各種の介助指導
- コミュニケーション手段
といった点でしょうか。
そして上記赤色の2つはSTの強みであると思います。
その人が肺炎を起こさないようにするための工夫や伝の心などの代替コミュニケーション手段の確立を出来るようになると良いですね。
例えば「文字盤」などがありますね。
こちらにまとめているのでよろしければご参考にしてみてください。
また、とあるSTの話をお伺いしたところ、伝の心を扱うために、 利用者様専用の「スイッチ」を作製してコミュニケーションを取ってもらうアプローチをされていました。
こういった点までカバー出来るようになるととても強いですね。
まとめ
ここまでご覧いただきありがとうございます。
ALSだからといって、STが特別関わり方を変える必要はないと考えております。
土台である「目標の設定」から、本人様家族様へ話を伺い、困っている点を可能な限りで解決していくように働きかけていくことが大切だとおっもいます。
また、自分ひとりで解決しようとせず、他職種と連携しながら、進めていってもらえればと思います。それでは!
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