リハビリのお仕事をされているリハビリスタッフの新人さんは、患者様の「活動」にフォーカスしてアプローチ出来ているでしょうか?
退院先が施設などに決まっていて、普段長距離を歩くことがないであろう患者様に対して明確な理由なくただ長距離の歩行訓練を続けているということはないでしょうか?
そういうのは往々にしてあります。
日常の中で少しは立ったり歩いたりするから、歩行訓練をするという考え方の人や、廃用予防には歩くのが一番良いと考えている人がいらっしゃると思います。
しかし、もっと患者様の生活を考える上で大事なことがないでしょうか?
患者様の「活動」に焦点を当てたお話になります。
患者様の活動を見るために必要な視点とは?
リハビリ意欲の確認
リハビリをしていくにあたり、患者様(家族様)の意欲について見ていくのが大事だと思います。
リハビリ意欲がある場合は「目標」を共有しやすく、より質の高いリハビリを提供できるようになると思われます。
歩くことが難しい人には「歩く」ことが目標となりより具体的にトイレまで行けるようになればいいのかなど話が進みやすくなります。
逆に意欲がない人は、リハビリの目標を共有できないのでなかなか難しいです。多いのが【家族様はリハビリを望んでいても患者様が望んでいないパターン】ですね。
患者様の身体能力などにもよりますが「これが出来るようになることで生活がぐっと変わる」というのがあります。
- 食事
- 発話
- 整容
- 排泄
- 移乗
- 入浴
- 更衣
- 睡眠
- 車椅子操作
- 歩行etc
たくさんありますね。
これら10個のうち患者様が何も全くどうも思っていないのであれば、介入がさらに困難を極めますが「出来ている部分」「出来ていない部分」について情報を収集する必要があると思います。
そこで患者様の意欲を引き出せる項目がないかを検討します。
例:お孫さんに会う機会を増やすには退院するのが一番です。退院には車椅子で生活出来るだけの力が最低限必要。だから立つ練習や動く練習をしていきましょう。など。
日常の状況を確認する
上記の通り、10個の主な活動内容を羅列しました。
患者様の意欲と活動内容を照らし合わせて「出来ている部分」「出来ていない部分」を細かく情報収集していきます。
上記の10個以外にも例えば「FIM」があります。「FIM」の項目と「出来ている部分」「出来ていない部分」を分析するのも良いと思います。
出来ている?出来ていない?その判断は?
出来ている出来ていないという風に分けるのは案外難しいことも考慮しなくてはなりません。
その時に考えるのが「活動にかかる時間」と「動作成功率」、そして「安全性」と「安楽性」であると思います。
活動にかかる時間が長いと活動につながりにくくなったり、途中でやめてしまう可能性もあります。それではリハビリの質を保てない可能性があります。
そして活動における動作成功率が低いと、これも活動へ結びつきにくくなり辞めてしまう場合があります。
そして安全性と安楽性。2つがあると活動へ結びつきやすくなったりしますね。
これら4つの項目で「活動に関わる運動能力」を見ていくことができます。
まとめ
ここまでご覧いただきありがとうございます。
患者様の活動を見ていくにあたり、新人の方はこれからどんどんと学んでいかれると思います。
効率よく学べることで質の高いリハビリを提供できるようになり、仕事が楽になったり楽しくなったりすると思います。
その何かの助けになれば幸いです!それでは。
参考
内山 靖 理学療法士が「活動」をみる PTジャーナル Vol.53 No.5 2019 pp504-511
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